第159話 動き出す歯車

「・・・おやおや、何ですか?その傷は」

「謎の女性騎士にやられた。傷は再生でなんともなるが、あんな化物がいるとは誰が思った?」

「そういうとあなただって相当の・・・、じゃあないんですか?」


 四枚羽を生やした男性、一見天使にも見える姿、そんな彼は腕に傷を受けたガルドラにあざ笑いにやってきていた。

 場所はある地下聖堂、その場所を知っているものは一握りが知らず、魔法教会の関係者が一切入る事さえ出来ない。


「ふん、まあそんな話はいいのです。それでお前が作りあげた戦力は使えそうなんですか?」

「多少はな。だが、さっきも言ったが、一筋縄ではいかない」


 ガルドラはそう言いながら、奥へと進み始めた。


「その女性騎士・・・私も相手してみたいですね」

「今は表も出れない身だろ。この城でしか行動出来ないはずだろうしな」

「そうですね。外に出れれば、過去の出来事で追いかけてくる連中がいるのも事実、まあ雑魚なので別にいいですけど」


 彼は笑いながら、城と呼ばれた聖堂の外へと向かっていった。

 それを見ていたガルドラは、


「ふん、強い奴程、暇になるか・・・。だが、安心しろ。そのうち、お前が全力出せる相手はきっと現れる。」


 彼がその場から消えていった後、その場で呟いていた。そして奥へと進もうとした時、


「いや、俺ら全員か・・・」


 それだけを言い、奥へと進んでいった。

 四枚羽の天使姿の男性、名は『ガルチュア・デルト・オーグラン』、500年前まで大天使として活動していた男である。500年前にある事をして、天空から追放され、そして追われている身である。

 だが、天空で活動していたのは本来の行動をするために潜入していたの過ぎなかった。



「見つけましたよ。偽りの女神様」


 天空の地、周りに何もない天空の大地。広がる草原地帯に1人の女神がいた。その周りを囲むように翼を生やし、槍などで武装した天使達が包囲していた。


「・・・」

「あなたが何をしているかは分かりませんが、禁句の力を渡すとは」

「狙いはなんなんだ。我に答えよ」

「・・・」


 偽りの女神、フメラ、もしくはファルメラの前へと現れた彼女は外界を見渡すだけで、彼女らを見ようとしなかった。

 大天使『ミラージュ』、彼女の威圧さえ届いてなかった。


「創造の神々の1人、そう言えば分かるでしょ?」

「そんな馬鹿な事はない。貴様のような者が創造神なはずがない!!」

「全員、攻撃態勢。一撃も外すな!!」

「「「ハッ!!」」」


 槍が女神へと向け、先端から球体状の攻撃魔法が一斉に発射した。だが、半分ぐらいの距離で突如と全ての球体に電撃が走り、爆破した。

 煙が辺り一面に広がり、天使たちもその爆風が走った。


「一体何が・・・」

「大天使様。大丈夫ですか?」

「あぁ・・・だが、あんな力どこから」


 電撃は偽りの女神の腕から発生していた。それを見た大天使は、それが魔法ではない事に気付いた。


「貴様・・・何者なんだ。魔法ではない何かをあなたは使った」

「だから、言ってるでしょ。私は想像の神々の1人だと・・・」


 偽りの女神の周りに黒い雲が発生し、囲んでいく。その煙が天使達から見えにくくなっていく時、彼女の姿は徐々に変わっていった。


「私の大抵の任務は終了した。これより、帰還する」

「貴様、まさか奴らの手先か・・・。いや、それに敵対する何かか!!」

「・・・了解です。これより物語の観測を継続します」

「もう一射だ!!放てる者だけでいい。放て!!」


 補佐している天使がすぐに指示を出し、体制を整えていた槍天使達数名が攻撃を放った。だが、偽りの女神から小さな玉の攻撃によって、その攻撃全てが破壊、魔法攻撃した天使達全員がその玉の攻撃によりダメージを負った。


「あなた達の戦力では私、いえ私達を止めることは出来ない。私は任務があるので、これで失礼させていただきます」

「ま、待て!!」


 黒煙が去ったとともにそこには彼女の姿はなかった。


「目的はなんなんだ・・・。あの力はこちらで抑えているのに、あいつはどうやって我らの力・・・」


 その場に残っていた大天使はただ、先程彼女がいた場所をただ見つめていた。

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