第145話 誕生会Ⅴ

 鎌の刃が私の腹部へと刺さり、そこから血がドロドロと出てくる。


「致命傷ね。あと10分もせずに死亡かしら」

「・・・」


 血は止まることなく、地面へと流れ落ちる。そのままにしていれば、死んでしまうが、1人だけ動くものがいた。


「姐さん、俺は待てない。ここで殺す」

「ちょ――」


 振り下ろされる短剣の刃、それを私は手で掴み取る。


「死ぬ・・・とでも思ったのか。残念ながら、こんな傷では私を殺せない」

「「・・・!?」」


 短剣の刃をそのまま握りつぶし、更には加熱で使い物にならないようにした。突如と熱くなる短剣から男性は手を放し、何かの異変に気付いた女性の方は引っ張って抜こうとしたが、ガッチリと変異で掴んでるために抜けない。


「もう既に遅い。少し付き合ったんだ。次はこちらの番でしょ」


 握っていた使い物にならない短剣を地面へと落とした後、足からナイフを左手で取り出し、それで鎖を真っ二つにした。その後、体にめり込ませていた鎌を地面に落とした。


「化物・・・もうこれは」

「姐さん!!諦めたらダメ――」


 まずは男性、喋ってる口を塞ぎ、そのまま壁へと勢いよくぶつけた。だが、それでも息があるので、直接フレアを発動させた。壁は崩落し、奥へと吹っ飛んだ男は既に息がなくなっていた。


「な・・・あぁ・・・」


 私はゆっくりと体制を戻し、女性の方へと振り向いた。既に持っているの鎌とは別に鎖の先端についていた重りみたいな物のみだった。

 あういう武器ってあんまり使わないから、名称もあまり分からない。

 飛んでくる重りが勢いよく飛んでくる。だが、それを右手で受け止め、勢いよく握り潰した。そして、持っていたナイフを投げた。


「うが・・・な・・・ぜ・・・」


 頭にナイフが刺さり、そのまま地面に膝を付き、倒れた。


「少々遊びすぎた。先を急がねばな」


 倒れた女性へと近づき、ナイフを抜き取り、私は先へと進んだ。



「一体中で何が」

「・・・これは・・・」

「誰か、状況を説明しろ」

「今、守りを強化させている所です」


 その場は慌ただしくしていた。だが、キットだけは深く考えていた。


「・・・さっきの破壊音、微かに聞こえた金属が砕ける音・・・、あの2人がまさか・・・」

「おい、何か知ってるのか!?」

「いえ、何も」


 キットは考えていたが、シャルガンに言葉を投げられた時、何もないと答えていた。答えられるはずがない。彼の脳内では既に身内の2人が殺されたことを悟ったからだ。

 その事を彼に伝えると、頭に血が登って怒鳴る可能性もある。無駄な事で行動したくない彼はただ、シャルガンのご機嫌取りを行っていた。

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