第141話 誕生会

「マリーお嬢さん、お誕生日おめでとうございます」

「ありがとう。マーセフ夫人」

「立派になられて、今年で17歳でしたか」

「はい。そうです」


 屋敷の大広間、そこには宴会のように多くのテーブル、貴族のような上品な服装を着ている人達が多くいた。中には仮面も付けてる人まで、そこにいた。

 マリーと呼ばれた女性の周りにお祝いの言葉を言うために来場された人達で群がっていた。それを2階から見ていたシャルガン。その後ろにはスーツ姿の魔法教会の者がいた。


「時間が掛かるとはこういう事だったんですね」

「あぁ、娘の誕生日だ。わざわざ寮から呼び戻しおる」


 周りには誰もいない。彼らだけで会話をしていた。


「シャルガン様、最近襲撃の影響か、かなり守りも硬いようで」

「今日という大事な日に行動を起こされたら、俺としてもこれ以上黙っておれん。リッチの部下達には今日は巡回ではなく、この屋敷の敬語についてもらっている」

「今日くらいは我々も羽を伸ばさせてもらいましょう」

「ふん、お前の部下の償いと思って楽しんでおけ」

「えぇ、そうさせてもらいます」


 彼らが片手に持っていたワイングラス、互いにグラスを前へとだし、軽めにぶつけて乾杯をしていた。



「招待状を確認、どうぞ」

「ありがとう」


 屋敷内へとなんとか潜入成功した私は、そのまま会場内へと向かう。

 今回の襲撃、誕生会の主役のマリー先輩は知っている。というか、今回の協力者である。何しろ、父が魔法教会と繋がっているのを知った時、泣き崩れていたからだ。

 それが昼頃、二人だけになった時である。その後に今回の誕生会の予備の招待状カードを受け取った。そのかわり、父は殺さずにある程度痛めつけてっとのご依頼も受けている。

 てか、今日がその誕生会というのを聞いて、なんてタイミングだと驚いた。

 ドレス姿での潜入、内側隠せる場所にはある程度武器を隠した状態で来ている。無論、ナイフも一本だけであるが、なんとか装備してきている。


「なんとか、潜入に成功って所ね」


 入り口の中へと入り、行われている大広間へと向かう。

 最初は客として振る舞い、後半から行動を開始する。私の予想ではこういう娘の大事な日には取引は行わないと考えている。わざわざ、彼らを活かしたのも、一括で仕留める事もあるが、逆に相手に刺激を与えないのも一つであった。刺激与えて、急にいなくなる可能性もあったからだ。

 てか、よく反乱軍とか、敵国とか、こういう催しの時に襲撃する事も多い。


「どちらが狩られ、どちらが狩るか・・・、とことん見させてもらいますよ」


 私は誰にも聞こえない程度の声で呟きながら、廊下を歩いた。

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