第139話 情報

 とある家の一室、そこに借りた人達と一緒に捕縛した魔法教会2名をイスに縛り付けて、身動き取れないようにしていた。

 縛り付けて数分で二人共目を覚ましたのか、ゆっくりと顔を上げていた。


「やっとお目覚めってわけか」

「・・・なんだお前らは・・・!?」


 目を覚まして数秒で、身動きが取れない事に気がつく。

 私の片手には玉を持っており、いつでも投げれるように掌で転がしていた。


「気付いても遅い。知っている事を話せ」

「何のことだが――」


 その時、1人の真横に先程手に持っていた玉が飛んでいき、壁に音を立てながら、めり込んだ。


「話せ」

「何も知らない!!」

「俺らはただ泊まるために――」


 そして更に真横に取り出した別の玉を投げ、壁へとまためり込んだ。


「正体は既に分かっている。魔法教会さん達」

「この女・・・どこまで俺らの正体を」

「そうだな。全てとはいかないが、お前らが教会の者などすぐに見破れる」


 欲しい情報を引き出せばの話であるが、まあ、そんなこんなでこいつらがここに来た目的そのものがまだ分かってない。それを探るのに時間が掛かるだろうし、それよりも更に過去に潜るだけでも体力を使う。


「・・・く」

「答えないと、死ぬよ?」

「分かった、答えよう。だから、命だけは」

「なら、知っていることを話せ」


 そこから二人はやろうとしていることをあれこれと喋りだした。嘘ついている可能性も考慮し、私の知る限りの彼らの記憶を頭に叩きつけていたので、嘘をついた瞬間に玉を追加で彼らの横や足などに狙って投げた。

 彼らがここに来た目的、それは金である。とある物の取引でここに来たのだ。現物も今回持ってきており、別の者が持っている。それが何なのかは、この二人は知らない。ただの護衛で付いてきただけの者だった。

 他にも3名程おり、そっちがこいつらの言う取引の材料を持っているとの事だ。


「なあ、全て話たんだ・・・。命だけは」

「そうだな。始末してもいいが、それはそれであとあと面倒事になりそうだ」

「だろ?なあ――」


 二人のうちに1人、取り出した針を投げた。肩へと刺さった針の影響なのか、1人はそのまま寝るように目を閉じた。

 それを見ていたもう1人が、


「ひぃ・・・」

「殺したわけではない。少しいい夢を見てもらってるだけだ。お前もすぐに見せてやる」


 もう1人にも同じく投げた。そして、同じく目を閉じ、爆睡を始めた。

 使った魔法は『記憶消去』だ。一定の記憶を消し去る魔法であり、誰もが扱える事も出来ない魔法だ。これはたまたま私が開発した魔法の一つにしか過ぎないが、役に立たないと思ってた魔法もここでは役に立った。


「こいつらを適当な場所に」

「分かりました」


 ドルドンさんから借りた者達にこことは別の地区に捨ててもらうように頼んだ。彼らが部屋から連れ去ったのを確認した後、私はその場を後にした。

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