第133話 噂

 数日が経った頃、


「騎士達も頑張ってくれているが、もう既に俺らを狙った犯行もしてる。このまま黙ってるわけにはいかない!!」

「そうよ。反撃に出るべきだわ」

「落ち着けって。俺らが行ったって、何が出来る」


 放課後の学校では生徒同士の言い争いが増えた気がする。前の襲撃も生徒達に伝えたことにより、それが一部で反撃すべきっと意見が飛び出してる。私的にはどうでもいいけど、反撃するなら、命大事にって思う。

 他のクラスの実力などがどれほどか分からないが、返り討ちにされる連中の方が多いと思う。特進クラスの連中はそこそこ強いのもいるので、そう簡単には負けないが、長期戦となると確実に不利となる。

 相手を一掃する魔法や攻撃手段があるなら、話は別であろうが、そんな魔力の消費が大きい攻撃なども出来るはずがない。

 私にはそういう攻撃手段があるので、別に問題はないが、少々そこら辺は心配である。そもそも前から不満だらけで、襲撃しようとした者もいた程だ。もう止めるのが難しいのかもしれない。


「最近物騒・・・」

「あんな経験したんだ。他の連中も黙ってはいないさ」

「ファルトはどう思うの」

「どうって、あいつらの勝手だしな。そもそも相手の居所を掴めてないと攻撃も出来ないだろうし、したとしても返り討ちにされるのがオチだと思う」

「意外と本格的な意見だね・・・」


 会話に曖昧な意見など不要、思ったことを口にする。実際に彼らが集団で挑もうとしても数の差で一瞬で押し返されるのは目に見えている。

 まあ、この近くは既に私が事前に全て潰しているので、見つけるのは非常に困難だと思われるが・・・、その事は黙っておこう。


「そういや、聞いたか」

「何をだ?」

「裏を牛耳る奴に魔法教会と結託してる話」

「・・・いや、初耳だ」


 あいつらも馬鹿ではないって事か。なんか、大きいことを仕出かすのかもしれない。なら、今夜に奇襲を掛けて、うまくいけば、魔法教会も一緒に仕留める事が可能かもしれない。

 なら、考えよりも行動が大事になってくる。


「ん?どこに行くの?」

「今日もう授業ないだろ。なら、もう帰って鍛錬した方がいいと思ってな」


 それだけ言い残し、教室を出た私はすぐに寮へと戻った。そして、制服を脱ぎ捨て、女性体へと変化させた後、前に購入していた普段着に着替える。短剣を装備せずに針と前に作った小さな玉を10個程、上半身の服に隠すように仕込んだ。

 針も普段売られてるような物を大半腰に収納し、宝石類から作り上げたオリジナルのは玉と同じように入れた。

 着替え終わった後に仮面を装着し、夜になるまで夕暮れの空を見ていた。


「さて、今回は少々大物のような予感ですか・・・」


 外の景色を眺めながら、私は玉を手のひらで転がしていた。

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