第120話 帰還

 すぐに転移で移動、最初に転移した陰の場所へと到着した。


「いやあ、いい汗かいた」

「あれはいつ死んでもおかしくなかった・・・」

「そう落ち込むな。いい経験になったと思った方がいいんじゃないの?」

「思いたくもねえ・・・、あんな場所に行くのはゴメンだ」


 まあ、そりゃあそうだな。あそこの魔物のレベル高いし、初めて行くにはあまりおすすめ出来ない場所だ。それでも乗り越えたって事は腕はそこそこあった。ただそれだけだ。

 必要な物の回収も終わったし、あとは用意されている部屋に置いておく。ともあれ、これで目的の一つは達成した。もう一つは、近くに移動した時に回収の手筈を整えるしかない。


「とりあえず、時間は大丈夫か?流石に30分以上離れてたんだ」

「それぐらいなら大丈夫だ。夕食になる頃に合図があるから」

「そうか。なら、余った時間は案内頼む」

「分かった。少し早い移動になるが別にいいか?」

「俺は構わない」


 そういうやり取りをしたのち、すぐに移動、色々と建物などを案内された。この時は途中走ることも度々あったけど、なんとか全部回りきることが出来た。その時には二人共息切れ状態であったが。

 食事も済んだ後、部屋に戻り、武装を全て外した。持ってきた手入れの物を使って武器の一つ一つを手入れを始めた。

 私の手持ちの武器は多いけど、その分まとめてしている。持っている武器は全て一級品に最近変えたばかりの物が多いので、そう簡単には歯切れなどは置きない。ましては素材が素材なのもあり、欠ける事もない。

 そんな武器にタオルで綺麗に拭く程度の作業をした。

 最後に剣を取り出し、それも綺麗に磨き始める。私が触ると、その部分の文様が光る。これは私が使い手として選ばれた証拠である。この武器の本来の力を発揮してくれる。

 それ以外の者が扱えば、普通の鉄の剣と何も変わりがない。伝説級はその武器が認められた者でしか力を発揮出来ない。力は武器それぞれであるが、常人ではまずありえない力を出してくれるらしい。


「まだ、私を主と認めてるんだな」


 剣の光を眺めながら、剣の手入れを終わらせた。革の鞘にしまい、部屋の壁に立てながら置いた。

 武器も一通り手入れをした後、入れていた場所に全て戻した。準備が終わった後、私はベットに横になった。



「確認完了、あそこに大賢者がいるのは間違いないです」

「報告感謝だ」


 遠く離れた所、アックスを持った男と、二刀の剣を腰に下げた女、それ以外に多くのフードを装着した者がいた。

 男は偵察に出ていた数名の者達から報告を受けていた。


「まさか自然の要塞にいるとはな・・・」

「あそこ落とすのに戦力が必要では」

「俺がいる。お前らはただ付いてくるだけでいい」


 アックスを手にとった彼は、数歩前へと歩き、


「攻めは2日後、前の借りを変えさせてもらうぞ。ミレア!!」


 大きく叫んだ。その声と共に周りにいたフードの者達も大きく頷いていた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援した人

応援すると応援コメントも書けます