第85話  即バレ

 寮に戻った後、こっそりと外を見ているが、あちこちに騎士達がいる。1人で行動している騎士はあまりおらず、最低でも2人以上で行動している所が多い。

 これ当分は外に出れそうにないって事かな。バレずに出る方法などいくらでも模索出来そうだけど、騒ぎを大きくしない方が身のためなのは目に見えている。


「とりあえず、部屋待機なのに変わりなしか。もしかしたら、明日には何かしら学校側から報告してくるかもしれないし」


 とりあえず、予備の武器による魔具制作で今日は部屋に籠もった。


 次の日の朝、普通に起きて準備運動を少々し終わった後、寮内にある共有スペースへと向かった。まあ、最新情報などもそこに張り出したりしている。

 そしてビンゴであった。掲示板には寮内に住んでいる人達で溢れかえっていた。貼られている張り紙にはこう書いてあった。


『スクリア・イルミーゼ、勇敢に立ち向かい、魔法教会の刺客達を打倒』


 みたいな事が堂々と書かれていました。正直言えば、彼の実力では勝てる相手ではない。まだその時の彼は能力を封じ込まれた状態だったのもあり、私はその鎖を粉々にしたので、当分は能力の使用が慣れてない感覚で扱えないはずだ。

 その分、前回よりも遥かに威力が向上していたりするので、慣れれば前よりかは扱いやすくなるっと思っている。

 それでもし、本気で戦ったとしても、勝てるかと言われれば五分五分である。

 とりあえず、私の身代わりとして注目の的になってもらいました。


「彼、すごいよね。1人で返り討ちにするなんて・・・とでも思わせてほんとは君がやったんじゃなの?」

「まさか、俺が相手にするとでも?」

「だって、相手が相手だからね」


 ちょうどリネルドが隣に立っており、普通に喋りだした。そもそもこいつは前に戦闘で魔法教会連中をボコボコにしては捕獲している。そして、更にリネルドの実力を知っている。

 なので、この私が倒したのではと誰にも聞こえない程度で話してきたのだ。


「相手は聖勇と同じく力を与えられた存在の一人と聞いてるんだ。その強さは誰一人勝てないって」

「そうなのか」

「あと、目撃証言では彼以外に女性を見たって話も上がってるんだ」


 ふむふむ、女性ね・・・ん?


「君じゃないのか?君の持つ力ならそれは可能だよね?」

「あぁ・・・、可能って言われれば可能だ。だけど、そんな力を持つ奴とでは勝ち目はない」

「ほんとかな・・・まあいいけど」


 目撃者はいたのか・・・。まあ、そこから私だと認識されにくいだろうな。だが例外としては間近で私という存在を知っている人だ。リネルドみたいに気付く人もいてもおかしくはない。


「現在、騎士ではその女性を探してるってさ。まあ、見つかるはずもないと思うけど」

「その女性がその能力者をフルボッコにしたの?」

「みたいだね。能力は不明だけど、それでも対等に戦えてたみたい」


 ちゃんとそこまで見られてたのか・・・。なんか恥ずかしいな。

 ん?てことはその人が見つからなかったのもあり、訳ありでスクリアが表向き倒した事になってるのかな。

 それはそれで申し訳ないけど、私の身代わりで有名になってくれ。


「まあ、表向きの行動は控えたほうがいいっと僕からの忠告だよ」

「分かったよ。表向きは普通に生活させてもらうよ」


 最近、本当に騒ぎにいる事多いし、今後首を突っ込まないように気を付けなければいけない。

 張り紙を見た後、私はそのまま自室へと戻った。

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