第71話 巫女

 今回も外に用事が出来たので、都市から外の大地へと立った。用事というわけではない。ただ素材がなくなって今都市中探しても見つからなかった為だ。それを元に鍛冶屋に武器製造の依頼をするんだけど、肝心の素材がない。

 あったとしてもかなり値段も上がっていてとても手がつけられない。

 素材は2つ『鋼の鱗』と『銀塊』である。銀塊は宝石系魔物か或いは採取のみだ。鋼の鱗は銀塊の近くに湧く魔物からの剥ぎ取りになる。それはそれで慣れているから別に問題はない。

 そして、いつも通りその採取は終わる。


「難しい内容はずなんだけど、楽で良かった」


 素材は回収出来た。あとは撤収するだ・・・!

 すぐに警戒した。狙いは私ではないのはすぐに分かったが、何かの目線的なのを感じ取った。

 森もざわめき始めた頃、どこからか馬車が倒れる音、人の悲鳴が響いた。何やら金属音のぶつかり合いが聞こえてくる。


「ここから約500m先、何かと何かが戦っている」


 確かここって、王都と魔法都市の中間に位置する場所だったけ。とりあえず助けた方がいいだろう。

 咄嗟に買っておいた仮面を装着、変異で女性の姿へと変わり、走りだす。元々そんなに持ってこなかったので、置いておく荷物もない。簡単な人助けだと思えればそれでいい。

 助走をつけながら、上空へと上がり戦闘の元へと向かった。



「さてと、護衛はこんな程度か。何が上級騎士だ。弱すぎだろ」

「ヘブン、油断はするな。こちらも被害は大きい」

「へいへい。旦那に言われちゃあ、たまりませんわ」


 ヘブンと呼ばれた青年はもう動かない騎士を掴んでいた。彼を呼んだ男性、その言葉の後に掴んでいた騎士を投げ捨てた。

 彼らの奥には騎士達が奮闘していた。魔法による攻撃なども食いながら、怯む事なく突撃する。


「彼女は」

「護衛を2人連れて、別の場所へと逃走中です」

「分かった。なら、我らはここの防衛を最優先とする」


 たった十数名の騎士、彼らは襲いかかって来る魔法教会へと立ち向かった。

 魔法教会もまた、別の方へと逃走したのを確認していた。別働隊を動かし、捕縛しようとする。


「何・・・、分かった。ヘブン、彼らについていき、巫女を捕獲せよ」

「こっちは楽しんでるんだ。もう少し楽しんでも良いじゃねか」

「ヘブン!これは命令だ」

「わかったよ。今はあんたが隊長だったな」


 ヘブンと呼ばれた青年は数名のメンバーとともに戦線から離れていった。



「巫女様、急いでください。追手がいつ来てもおかしくありません」


 騎士2名は巫女と呼ばれている少女を連れて走っていた。ただ、闇雲に走り、敵から逃れるためだ。だが、闇雲に走れば、逆に道が分からなくなり、森から出れなくなる可能性だってある。

 逃げるのにそれしかない。彼らはそう思いながらも、巫女を連れて走り続けた。

 だが、目の前に炎が広がり、進路を防がれてしまった。


「どこに行こうとしているのかな。少しは俺を楽しませろ」

「くそ、巫女を渡す訳にはいかない」


 騎士が剣を握った瞬間、その男は炎に包まれた。叫び声が森のなかに響き渡っていた。


「弱い弱い弱い。護衛の騎士は強いって話だな」

「ガイス!!!貴様!!」


 もう一人が剣を抜き、斬りに掛かった時に他の魔法教会からの攻撃を浴び、少し離れた位置に飛ばされ、そのまま身動きを取らなくなった。


「ナイスだ。まあ、オレ一人でも余裕だけどな・・・って女は逃げられているじゃないか」

「探します」

「いい、行きそうな場所は大体分かっている」


 彼らはそう言いながら、奥へと進んでいった。ただ、任務のために彼らは動き続けた。

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