第34話 親玉

 動く巨体、四足歩行、例え方が色々だ。

 簡単に言うなら、イノシシを巨体にしたような感じだ。その周りには何頭もイノシシがついて回っている。


「あれって・・・」

「間違いないね。突然変異種だよ」


 あれ突然変異って言えるのか。もはや突然現れた魔物にしか見えない。見た目はイノシシだが、あれはレベルを超えている気がする。それにこの黒い霧も気になる所だ。

 黒い霧はその魔物の口や鼻から息として放出されている。体に悪影響はあまりないので、気にしなくて良いのだが、視界が見えにくい。


「この大量発生の原因は多分あいつだね。どうするの」

「どうするこうするも。イノシシ50頭討伐しても、これじゃ増え続けるさ。なら、ここで討伐すれば問題ない」

「あれって私達で倒せるんですか・・・?」


 多分通常なら無理だ。あの巨体で魔法耐性とか持っていそうだし、何よりも攻撃力も半端じゃ無いだろう。ドラゴンのように口からブレス出すわけでもないから、攻撃は単純の可能性も高い。

 だが、地響き起こるほどの巨体だ。地面に立っているだけで動けない程だろうな。だから、普通の冒険者では討伐なんてまず無理だ。


「多分、俺ぐらいだろうな。まともに接近出来るのは」

「私はここでイノシシの討伐だな。さすがの私でもあれは無理だ」


 ため息つき以外ない。あれ大体どれぐらいでかいのここからだと、イノシシの5倍はあるように見えるのだけど。

 その時、あの巨体はいきなり吠えだした。その吠えは衝撃波を生みながら、周りへと響いていく。

 木々は揺れ、俺らの場所も飛ばされそうになる程の勢いだった。


「いきなり吠えたなんて」

「多分、あれは怒り狂ってそうだな」


 仲間が殺されたのを知ったのか、体に文様が浮かび上がるように光り出した。

 息も荒くなっているのか、煙の量も増していた。その煙とともに怪物はこちらへと徐々に近付いてくるのだった。

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