第29話 大賢者

 帰ろうと、教室に戻ろうとした時だ。


「やあ、さっき高台から見てたけど、なかなかいい腕してるね」


 青年?子供?ぐらいの年齢の子が話してきた。マントに魔法師っぽい杖を片手に持っていた。


「あ、ありがとうございます」

「今度僕と対戦してほしいな。それも真剣に・・・ね」


 彼はそう言った後、その場から立ち去った。誰だったんだあれは・・・。



「それ、多分大賢者様だよ」

「大賢者?」


 教室へと戻り、セオリに聞いてみた。それについてすぐにピンと来たのか。答えが返ってきた。


「大賢者ミレア様。500年前聖勇フメラ様と共に魔王に挑んだ魔法師だよ。500年も変わらない姿でいるとかなんとか」


 なるほど、これはあれだ。不死の薬飲んだ人だ。竜神様と一緒のタイプだ。って事は、竜神様と知り合いって事になるのでは・・・。


「そんな人に声を掛けられるなんて、相当幸運だと思うよ」

「そういうものなのかな」

「そういうものよ。ミレア様って数少ない魔法封じマジックキャンセラーの使い手だから」


 魔法封じ、相手に魔法を一定時間使えなくする魔法だ。他にも魔法で強化していた場合、体が動けないほどの重力が掛かったりする。そんな対魔法師魔法だ。


「これの事かな」


 俺は普通にそれを出す。今回用意していただ。これで相手の魔法を封じ込めて薙ぎ払う予定もしていた程だ。


「え?なぜ使えるの・・・」

「元から使えた。魔力も消費しないから、連発も出来るし」


 俺はその場で灰色のした球体を掌に出した。

 生まれつき、この魔法と変異魔法は使えた。後から変異魔法を発案したようにしたけど、この魔法の存在はあまり表には出してない。

 相手の魔法を封じ込める魔法があまりにも魔法殺しな為にあまり使ってない。あ、無論魔法系統を扱う魔物にも有効だ。


「初めて見た。こんな感じになってるのね」

「あぁ、まああまり使う機会はないけど」


 俺はその球体を握りしめ、消滅させた。まあ、簡単に言えば強力な魔法には変わりない。これを扱える大賢者ってどれだけすごいのやら・・・。

 そしてタイミングよく、鐘の音が聞こえた。それを聞いた瞬間、セオリは帰っていった。俺も疲れている部分があるため、荷物をまとめて遼へと戻っていった。

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