第27話 テスト開始

「反応が遅い。次を相手が待ってくれてると思うな」


 6人目が投げ飛ばされた。全員が攻撃を命中させてはいるが、全く効いてない。むしろ、ピンピンしている。


「たく、今回の生徒は歯ごたえがないか。もう気付いたらあと一人か」


 あまりにも早い。だが、相手の特徴や能力を細かく評価している。ちゃんと見ているって事だ。俺も予想はして浮いたけど、攻撃受けてもまだまだピンピンしている事は予想していない。傷一つもないからだ。

 多少焦げ目あってもいいだろう・・・。


「次、最後は君だ。戦えるようにしておけ。最後だと言って私は手加減はしないからな」


 さっきから見てる限り、手加減は一切ない。むしろ、本人は熱くなってきてる頃合いにも見える。最初から攻撃されずに倒されるのではないのかって思う。

 こっちが始めようとした時だ。隣では激しい戦闘が繰り広げられていた。


「やるな小僧。今年の代表者は一味違うか」

「ありがとうございます。ですけど、まだ秘策は残っているんですよ」

「なら、出させてもらうか」


 隣で戦っていたソルナックと呼ばれた上級魔法師とスクリアが戦っていた。そっちに俺が目線をやった時、ソルロックは氷の刃を数個、空中に出現させ、それを発射する。それもスクリアの後ろ四方八方にだ。

 ほぼ逃げ場は上だけ、もしくは魔法によるガードしか無い。

 彼の合図とともに留まっていた刃は彼へと飛ぶ。苦難の結果なのか、彼は上空へと高く飛んだ。


「ほう・・・それがお前の言う秘策か」

「そうですよ。浮遊魔法です」

「貴様だけがそれを扱えると思うな」


 すると、ソルナックも空へとゆっくりと浮上した。やはり、それに対して彼は驚きを隠せなかった。


「な、なぜ――」

「なぜ、空を飛べるかって?既にこの魔法は作られていたんだ。最近になってこの魔法のやり方を覚えて鍛錬してたんだ」

「一体誰が・・・」

「それは俺でさえ知らない。だが、使用回数は俺の方が上だ。その魔法、まだ未完成って感じだしな」


 ソルナックは容赦なく、氷の魔法で攻撃を仕掛ける。彼の言う通り、まだスクリアの浮遊魔法は不安定だ。避けるにしても遅すぎる。避けきれないと思ったのか、炎の魔法でガードするが、それでも貫通してきた氷により体に傷が走る。


「ガードしていると、近づいてきたことにさえ気付けないぞ!」

「!!??」


 彼が気付いた時には真上に移動されており、そのままダイレクトに地上へと叩き落された。


「勝負アリだな。浮遊魔法覚えた所で、扱えなきゃ意味がない。早めにその魔法を完成させるんだな。だが、さっきの試合からしてお前の評価は合格っと言っておこう」

「あ、ありがとうございます・・・」


 隣で激しい魔法合戦が終わった頃に、


「さて、こちらも行くとしようか。隣の方が最も面白そうだったのが残念だ」

「あの人が浮遊魔法扱えるって事は」

「あぁ、私も扱える。その隣のやつもだ。慣れるのには時間掛かったが、今では普通に扱える」


 空へと逃げようなら、迎撃するぞって事か。その時はその時だ。やれる時にはやる、ただそれだけだ。一応封魔のリングは装着している。それでどこまで実力が出せるか、度々調整しながらやっていった方がいいかもしれない。

 マーガレットが薬を飲み終わった時、彼女はそれを地面へと置き、俺の方へと走り出した。

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