竜人族で生まれ育ったら人間だった

白宮 レン

第1話 帰宅した時

 竜人、人の姿をしており、特徴としては尻尾や羽を生やしている。リザードマンとは違い、人間と同じ姿をしている。魔法も肉体能力も非常に高いがその分数は少ない珍しい種族だ。最初は人として生まれ、5歳時になると尻尾や羽が生え始める。だが、数百年に一度、竜人の血を引く人間が生まれる事がある。

 だが、その可能性は数百年に一度生まれるか生まれないかの確率であり、生まれた時には竜人に住む竜神さえも超える力を持つと言われている。

 そういう風に言い伝えでは書いてあるけど、俺って完全に人だよな・・・。

 ずっと疑問になっていたものだ。5歳児には確かに周りでは角や羽が生え始めていた。だが、俺にはそういうのは一切生えていない。もう15歳になるんだけど、今後も生えることは一切なさそうに見える。一応家族はどちらも竜人族であり、角も羽も生えている。

 書いてある本も読み終わった時、それを本棚に戻した。今いるところは竜人国にある東区の図書館だ。公衆の場でもあり、俺以外にも竜神の人達は利用している。てか、よく声を掛けられる。


「よお、ファルト。もういいのか?」

「おやっさん。あぁ、用事は済んだ」


 竜人国『ヴァルハル竜王国』は竜人族以外の種族は住めない場所だ。人が移住する事は許されてない。だが、竜人の間に極稀として生まれた人の場合、竜人として扱われる。もっとも肉体能力とか、ほぼ竜人と変わらなかったり、実際にはそれ以上だったりしてどう見ても人間離れしているからだ。

 竜人は人と比べ肉体能力が倍程ある。ドラゴンの血が流れているだけあっての事なのかもしれないが、まあそこら辺はあまり考えない方がいいかもしれない。見た目は普通の人と変わりないのだが、筋肉質が違うとはこういう事を言うのかもしれない。

 今回は俺自身の事について、色々と調べに図書館に来た。まあ、歴史を見に来ただけなんだが、結局人種の姿として竜人の力を持ったまま生まれるって書かれていた程度だ。このまま、家に帰って勉強するか。

 家に帰った時だ。そこに王国聖騎士と呼ばれる騎士のトップクラスの人達が来ていた。


「ファルト・ファルガーデンか?」

「あ、あぁ、そうだけど・・・」


 なぜ聖騎士がこんな所に来てるんだ。玄関は空いており、外から中の様子を見る限り、テーブルの所に金貨が入った小袋が置かれており、父母はなぜか苦笑いで「行って来い」っと顔に出していた。え、連れて行かれるの俺・・・。


「竜神様がお待ちだ。付いて来い」

「あの、拒否権は?」

「そんなのは存在しない。さっさといくぞ」


 まさか、竜神様にお呼ばれされるとは思いもしなかった。いや、誰が想像出来るか。竜神様は俺ら以上に数百年の時を生きるお方だ。その者の姿は全く見られるものではない。確か、俺らの寿命は約150年、それと比べるともはや神に等しい。

 そんな方からお呼びされる。一体俺は何をしたのだ。そのまま王宮に聖騎士に囲まれながら向かうことになった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます