瀬をはやみ

作者 成井露丸

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★★★ Excellent!!!

突然ですが、あなたは百人一首をどのように覚えるタイプでしたでしょうか?

意味など知らん、呪文みたいに無理やり覚えるんだよ、という人ですか?
それとも、やっぱり意味と一緒に覚えて味わわなくちゃね、という人ですか?

この話に登場する可児ユウキくんは、どちらかといえば前者。ユウキくんが参加している部活にいる結城さんの友達である海原マドカさんは後者でした。

ユウキくんはマドカさんに恋をしていました。
それが六年前の話です。

あの高校時代から六年経った同窓会の席でユウキくんは、高校時代の思い出を回想します。

文芸部のみんなで部誌を作ったこと、修学旅行に行ったこと、受験勉強に励んだこと、初詣に行ったこと――そのどれにもマドカさんはいます。

修学旅行で訪れた神社でマドカさんが諳んじた歌――瀬をはやみ。

岩にせき止められた急流が一度別れても再び一つの流れとなるように、いつか再びあなたと巡り合う。

保元の乱で敗れた崇徳院が詠んだ、切なくも激しい恋の歌です。

その歌の意味とともに、この小説を読んで甘酸っぱくも輝ける高校時代に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

★★★ Excellent!!!

恋をすると、日常の景色が輝いてみえる…
そんな景色が、とても綺麗に描写されている、眩しい青春の物語です。
修学旅行のあたりの景色の描写は、主人公にどっぷり感情移入して、本当にキラキラした気分で読めて、個人的にお気に入りです。
読み進めていくうちに、友情や夢など、たくさんの要素が出てきます!
恋愛小説は苦手だった私が、読み終わって、明日も頑張ろうと思えた、素敵なお話です!