Musica of coastline -私たちがこの海岸線で笑顔を絶やさないわけ-

作者 13kid

8

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★★★ Excellent!!!

 アーティストを目指していた少女が、様々な人々とかかわり合いながらラジオの世界で奮闘する物語。「奮闘する」と言っても、その語り口はどこか虚無的で、俯瞰的な様相がある。それはきっとこの作品を生み出す作者様の狙いなのだろう。
 ただの「努力家」や「一生懸命な人」を描くのではなく、それらの人々から一歩引いた目線で眺めることによって、巨視的な世界観を描く。だからと言って、登場人物たちに感情移入できないわけではなく、主人公の少女の感覚にはとても感情移入できる。今までに出会ったことない空気を纏った作品である。例えば人々の出会いに対する主人公の感情。一期一会を大切にしていることが伝わってくる。また、ライブのチケットに対する不安や焦燥が、まるで自分の感情のように思えてくる。
 セリフでは通常の描き方をしているのに、その間を埋める文章はまるで歌の歌詞を読んでいるように印象的だ。とてもメッセージ性が強い作品だと思った。
 是非、ご一読ください。