第87話 美術館

 誰だか知らない男と美術館に来ていた。

 私は、その男が誰かと会う為に、この美術館へ訪れたことを知っていた。

 その男は、美術館を見て回る様子はなく、入り口付近から動こうとはしなかった。

 別の入り口から、柄の悪い男達が入ってきた、何やら、その男が生きていることに驚いている。どうやら暗殺に失敗したようだ。


 その男は、事務所のようなところに入って行く、私に美術館内で待つように指示して、姿を消した。


 1人残された私は、美術館を見て回る。

 1階は植物園のようになっており、螺旋階段で上に向かうとフリースペースにパソコンが数台並んでいる。

 部屋の前で、私の分だとノートパソコンを手渡す。

 なぜか部屋全体に傾斜がついておりノートパソコンは、机を滑って床に落ちる。

 使いにくいなと思いながら、床に落ちたノートパソコンを拾って机に戻り片手で抑えながら立ち上げる。

 パソコンはオンラインゲームが表示され、円筒形の建物を謎を解きながら上を目指すような内容だった、私は11階で詰んでしまいゲームオーバーとなる。

 フリースペースを出ると、先ほどの男達が私に近づいてきた。

「なんで生きているんだ?失敗したのか」


 どうやら私が、その男の暗殺に失敗したらしかった。

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