第79話 壊れる
実家にいた。
狭い部屋で死んだはずの祖母が何かと話しかけてまとわりついてくる。
私は少しずつ身体をずらして、ソコから離れようとするのだが、ずっとまとわりついてくる。
祖母が何を話していたのか覚えていない。
とにかく私は祖母が不快だった。
私は耐えきれなくなり、部屋を滅茶苦茶にしてキッチンへ逃げた。
それでも這いながら祖母が追ってくる。
いつの間にか母や妹も何事か叫びながら追いかけてくる。
私は半狂乱になって、目の前の物を滅茶苦茶に床に、壁にと叩きつけて、ついにうずくまってむせび泣いた。
「もう…ダメだ」
私は、自分の中のナニカが壊れることを覚悟した。
きっともう…普通の日常には戻れないと感じた。
それが恐ろしく…悲しくて私は胎児のように身体を丸めて泣き続けていた。
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