第73話 出戻り2

『出戻り1』で目が覚めた後に見た夢。


 私は久しぶりの会社に出社した。

 かつての上司は会議中で会うことは出来ないし、部下にも会えない。

 誰だか解らない人に会社を案内されていた。

 ときおり、すれ違う人は、在職中に辞めていった人ばかり、皆、今日から復帰しているらしく、挨拶してくる。

「今日からお願いします」

 そればかり言われる。


 私は上履き用の靴を片方しか持っておらず、そのことばかり気にしていた。

 見知った建物なのに、なぜか違和感しか感じることが出来ないまま、私は明日から出社ということで帰宅した。


 なぜだろう…通い慣れたはずの道で迷い、気づけば山の中を彷徨っている。

 気ばかりが焦る、もう会社に行けないのではないか…。


 でもどこかで、安心もしていた。

 これで行けない言い訳ができたじゃないか…。


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