第64話 ノート

 車で1人、交差点の隅で何かを任されていた。

 道路の片側を封鎖している三角ポール、警察がくるまでの間?

 四角く囲われた場所に何があるわけでもない、私は面倒くさそうにソコを避ける車から注がれる訝しげな視線を睨み返していた。

 ふと自分の車の助手席を見ると、真新しいノートが置いてある。

 昨日買ったものだ。


 何気に開くと、すでに半分くらい書かれている。

 買ったばかりなのに…そう思いながらも、ノートをパラパラとめくる。

 大半はラクガキなのだが、時折、目に止まる名前、同級生の名前だ。

 数名の同級生の名前が書いてあった。

 気になって、もう一度ノートをめくって探すのだが、見当たらない。

 ノートの半分ほど、ラクガキの最後のページに、ラインのようなやりとりが書いてあった。

 恋人同士なのだろうか、関係性は行き詰っているように思えた。


 車内から外を見ると、丘が見える。

 昨日は、あの丘にいたような気がした。

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