第60話 海岸の街

 暗い海で何かしていた。

 泳いでいた、なぜか解らない。


 海岸には街が在り、私はソコに住んでいるのだろうか…。

 砂浜は無く、砂利の海辺を歩く。

 女子高に立ち寄った、バレー部?の練習を見ている。

 新入部員だろうか3人がコートの隅で先輩に挨拶をしている。

 1人は背の高い黒人だ、よく笑う子。

 先輩は5人、うち2人は黒人、コーチが嬉しそうに笑う。

「これで今年は優勝できそうだ」

 事実、黒人の高校生は身体能力が高そうだ。

 学校には地方タレントが来ていた。

 そのバレー部を取材に来ていたようだ。

 カメラの前では愛想よく、笑っていたが、食堂ではマネージャーに悪態を吐いていた。

 2人は大きなラーメンを食べていた。とても不味そうに思えた。


 タイルの張られた広い風呂場にいた。

 湯船に浸かると、そこは海水。

 浴槽は暗い海、足は着かない。


 私は浴槽を出て、身体を洗う。

 ふと気づくと浴槽は海水で溢れている。

 排水溝には髪の毛が詰まっていた。

 退けようとすると指先にチクチク刺さる、私は身体を洗っていたのではなく髪を剃っていたらしい。


 自分の頭髪が詰まっているのだ。


 剃り終えると私は浴槽の海へ潜った。

 顔を出すと、また暗い海から街を見ていた。

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