第45話 何と戦う?
パイロットスーツを着ていた。
なぜかバイト先のホテルから駐車場へ向かっている。
砂利道には犬のウンコが落ちている。
黒いパイロットスーツの兵士が駐車場にたむろっている。
私が駐車場へ行くと、大佐と呼ばれた禿げた厳つい男が近づいてくる。
「前の部隊では大変だったな、今日からは、俺の部隊でコイツを駆れ」
駐車場には自転車にハリボテが付いただけの乗り物が用意されていた。
私はなぜか最新鋭機だと、特別扱いに心が躍った。
「オマエは3番機として、コイツの小隊へ入れ」
紹介された男は若く、黒いバイクのようなモノに跨っている。
「俺は2番機だ、よろしくな」
軽いノリで挨拶される。
「一番機は俺だ」
と大佐が私の肩を叩いて笑う。
皆の声が聴こえる。
なんでアイツが最新鋭機なんだ、腕がいいんだろ?
順に駐車場から車やバイクのような乗り物が次々と発進していく。
「いくぜ」
2番機の男が私の肩を叩く、私は自転車に跨り漕ぎ出すが、当然、車やバイクに追いつけるはずはない。
あっという間に置いて行かれる。
独りで、街をハリボテの自転車で戦場へ向かうのだが、場所も良く解らない。
やっとの思いで辿り着いた村、すでに部隊は配置されており、2番機の男が近づいてくる。
「遅かったな、最新鋭機の能力は隠しておくつもりなんだろ、大佐は向こうで打ち合わせ中だ」
私は坂道ばかりの村を得意気に自転車で走り回る。
不思議なのは、出る時はパイロットスーツだけだったのに、村にはファンタジーの剣士のような風貌の者が多い。
坂道を勢いよく下り、キュッとブレーキをかける。
自転車を停め、大佐を探す。
「遅れました大佐」
挨拶すると、ニカッと笑う大佐
「まだ、敵は来ていない、慣らしは済んだな、しばらくは村でくつろげ」
村にはドワーフのような村人が斧や剣を携えて敵を待ち構えている。
私は丘の上に自転車を移動させて敵を待つ。
銀色の錆びた自転車でしかない最新鋭機を誇らしげに見つめるているのだ。
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