第43話 戦場

 戦場へ向かう途中だった。

 正確には、敗戦後、生き残りの残党でクーデターを起こす、そこに参加している。

 私に銃を渡す軍服の男、頼むぞと声を掛けて私に銃を差し出す。

 受け取って頷く。


 すでに戦闘は始まっている、私は3人の部下を連れて隠れ家である倉庫を出る。

 移動はなぜか徒歩で、普通に街を移動している。

 途中でジュースの自動販売機を見つけ、私は立ち止まる。

 見たことも無い形の自動販売機、どうやら設置されたばかりの最新型。

 とりあえず買って見ようと部下からお金を借りた。

 先に行きますよと走って人ごみに消えていく部下2名。

 私はお金を入れて、ジュースを選ぶ、見たことも無いジュースが並ぶ。

 気が付くと後ろに人が並んでいる。

 早く選ばねばと焦るのだが、どうにも飲みたい物が無い、急かされるようにボタンを押すと、ソレ飲むんだ?とメガネの若い男が後ろから話しかけてくる。

 金色の液体がカップに注がれている。

 ソレ飲む人初めて見たと、真顔で私を見ている。

 心の中でどうせもいいだろうと思いながらカップを取る。

「コショウにスパイス混ぜたような味がするんだって」

 そう言うと去って行った。

 飲もうとすると、機械から異音がする。

 カップを掴むアームが壊れたらしい。

 並んでいた人達が壊すなよと言いながら散り散りに去っていく。

 備え付けの電話が鳴る。

 私が出なければいけないのかと受話器を取る。

 メーカーからで、なんで故障したのか、ウチはちゃんとメンテしているのだと怒り気味に事情を聞かれ、私は現状を説明する。

 これから修理するというので、私は、その場を離れる。

 そういえば、どこに行くのだったか?


 私は銃を携えて、人ごみを走る。

 戦場へ着くと、すでに部隊は壊滅状態で、そこらじゅうに負傷兵が横たわる。

 私は狙撃に回され、侵入してくる敵の兵士を1人、また一人と狙撃する。

 時折、渡される戦況とMAP、いくら狙撃しても減らない敵。


 それでも潰す様に1人ずつ消していく…いつまでも、いつまでも。

 笑いながら私は表示される丸い的を射ぬく。


 いつの間にか、兵士の姿は無く、独りで光るポイントを射抜くだけになっていた。


 私はココに向かっていたのだろうか?

 間違った場所にいるのではないだろうか?

 そんな不安で目が覚めた。

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