第14夜 蜂の巣

 高い所に蜂の巣がある。

 以前、壊したはずなのに…再び大きな蜂が飛び回って大きな巣を作っている。

 とても大きな蜂、私の握り拳くらいありそうな蜂が飛び回っている。

 はしごを探すが見当たらない。

 放っておくことができないくらい大きな蜂の巣に、今にも零れ落ちそうなほど大きな幼虫が蠢いている。

(早く取らなきゃ)

 気持ちだけが焦る。


 駆除スプレーも無い。

 網も無い。


 ただただ、私は立って巣を眺めている。

 かつての上司や同僚が私の脇にいつの間にか立っている。

 私には聞き取れないのだが、何事か話している。

 あまり良いことは言われてないことは表情から解る。


 トボトボと家に戻ると、昔住んでいたボロい家で父親が無言で自転車を壊れた直している。


 私は家に入ることを躊躇い、蜂が飛び回る夕焼けの空を、ただただ眺めていた。

(また、早く壊さなきゃ…刺される前に)

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