第105話
ふたりを包んでいた輝きが消え、ちょっとだけボンキュッボンとなった「ひばりおん」が爆誕した。
「おおぉーーっ……!」
「本当に合体できた……何だかとても温かい」
興奮するりおんと、感慨に耽るひばり……。
「はぁ……もう好きにすればいいですわ……」
呆れ、言ったリンスロットの傍で「ほぉ」と感心するアンテロッティ、ローグ、コステリッツ、そしてキャサリン……。
身の危険を感じたダークエネルギーが、全身を包む様にシールドを展開する。
地球への侵攻を止め、防御に徹する構え……。
「ふぅ……やっと止まりましたか……」
憔悴寸前のエリザベスの本音。
他の魔法少女も、肩で息をして、安堵する……。
「ちっ……シールドを展開したか……ひばりっ、薙刀で切り裂いてっ……」
「わかったわ、りおん」
ひばりおんの内部で交わされるふたりの会話。
「月下美人さん……薙刀モード……」
「はいはい……」
勇壮な出で立ちの「ステッキ美人さん」が、薙刀へと変貌する。
「おおーっ、格好いいねぇ……ステッキ美人さん」
早くもスーパーステッキさんという名前を改名し、弾むひばりおんの中のりおん……。
「名前まで適当に合体させやがって……ってか、変なとこ触るんじゃねぇよ……」
「触ってないだろ……変な言いがかりはよせ……」
言い争う月下美人とステッキさん。
ふたりをよそに、シールドとの境界線に高速で突進するひばりおん……薙刀を構え、意識を境界線に集中させる……。
「今だっ、ひばりっ……」
「はぁぁーーっ……」
りおんの号令にひばりが呼応し、ひばりおんは薙刀を振りおろす……。
「ギャラクティカマグナム……!」
まるで、異次元にまで通ずる斬れ味鋭いひばりおんの叫びと攻撃は、容易くシールドを破る。
人ひとり程の裂け目を通り、本体を目指すひばりおん……通った後の裂け目は左右に広がり、消失してゆく……。
「よぅし、ステッキ美人さん、薙刀モード解除……ローエングリン発射用意……」
「ええっ……そんなモードあったかな……? それと、さっき叫んだネタはなかなかに郷愁を誘うぞ……」
「きっと懐かしく思う人はいるよ……それと、モードはちゃんとあるよ……だから、ゴットフリート、バリアント、スレッジハマー、トリスタン、イゾルデ、パルジファル、タンホイザーを追加発射用意っ……」
「いやいや、ひばりおんさん……武装がてんこ盛りでしかも偏り過ぎているよ……まぁ個人的には、アークエンジェルとドミニオンとの切なくも、互いに譲れない女の戦いがツボだがな……」
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