第103話

「うっ、内職というか、寧ろ今はそっちが本業なのだが……」


「あれっ? 1万と2千年前からポーターじゃなかったの……?」


「りおん……各方面からお小言を言われる前に、ダークエネルギーを壊滅するぞ」


「はいはい……」


「あんた達って、いつもこんな感じなの……本当に適当だねぇ……」


 マニアックなりおんとステッキさんの会話に、呆れ気味な月下美人。


「それじゃ、ダークエネルギーさんもイラッときているので、攻撃開始しますよ……」


 りおんの言葉を裏付ける様に、ダークエネルギーからレーザー照射の仕草が伺える。


「行くよっ……ひばり」


「じゃぁ、スーパーステッキさんっ、発進!」


 ひばりの手を取り、新たな名前を与えられたポーターを操り、上方向へと上昇してゆくふたり……。


「私達が、囮になりますよ……」


 エリザベスが言い、ダークエネルギーを攻撃する。


「攻撃が効く効かないの問題ではありません……りおんさん達の存在を悟られない為に、ダークエネルギーを私達に引きつけます……」


 エリザベスの意図を読み取ったシフォンが、他の魔法少女達に合図し、攻撃に参加する。




「仕方ありませんわね……」


 りおんの攻撃など本当に有効なのか……懐疑な思いを胸に閉じ込め、フロマージュ弾を連射するリンスロット……。


 リンスロットに習い、アンテロッティ、ローグや魔法少女達も、それぞれの得意な攻撃をダークエネルギーに撃ち込み、コステリッツとシールド系が得意な魔法少女らは、浴びせられるレーザーに対し防御シールドを展開し、みんなを護る……。


「うわっ……」


「ぐっ……」


 気を抜けば、レーザーの餌食になる……それは「死」に直結する。


 歯を食いしばり、目を見開き、起こっている現象に神経を集中させ、彼女達は攻撃し、防御シールドを展開する……。




「あのふたりは何処まで行きましたの……」


 じれるリンスロット……。


「そのうち、ひょっこり現れるだろ……」


 アンテロッティがあやし、矢を射る。


「ふふっ、リンスロットはご立腹ですか……」


「怒らない怒らない……囮らしくしなきゃ……」


 姉の様にローグは振る舞いながら、涼しく連射をこなし、最強シールドを広範囲に展開しながら忠実な「囮」を演じるコステリッツ。




「そろそろですか……」


 エリザベスの勘が研ぎ澄まされ「上」を見る。


 遥か彼方に輝く閃光……。


 それがより明るく、大きくなり……迫る。


 超高速でダークエネルギーに向かう、りおんとひばり……。

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