5*えっ……?
第30話
「し、しょうがないなぁ……監理局と交渉はしてみるが、あまり期待するなよ」
「わかった……んでバイト代は、日曜日締めの翌日月曜日に現金払いでお願いねっ……」
「わかりました……」
悟りを得た様な澄んだ声で、ステッキさんはりおんの願いを聞き入れた。
「じゃあ帰ろうか……深夜ラジオ聴きたいし……」
その時、りおんの胸元が光り輝く……。
「えっ……?」
やや動揺した表情で胸元を見つめるりおん……程なく光は消えてゆき「あの」チアガール風トップスの胸元に、青い星印が刻印された。
「ステッキさん……これは」
「ほぅ、ブルースターか……飛び級だな」
感慨深いステッキさん……。
「どういう事……?」
「りおん、魔法少女にはランクがある……」
「格付けって事かな……?」
「そうだ……下からレッド、ブルー、ブロンズ、シルバー、ゴールド、そしてプラチナというランクが存在する」
「へぇ〜っ……」
「魔法少女なりたては本来、レッドスターが基本だが、稀に飛び級する者が現れる」
「はぁ……」
「りおん、これは凄い事だぞ……」
「そうなんだぁ……んで、ランクが上がるといい事があるの……?」
ステッキさんの「舞い上がり」とは裏腹に、興味のない表現、表情のりおん……。
「ランクが上がれば、魔法の威力も技のバリエーションも増えてゆく」
「イマイチ魅力に欠けるなぁ……」
「全く適当だなりおん……ゴールドスタークラスになれば、他の魔法少女達やポーター達、そして監理局からも羨望の念と、尊敬の対象となる。ゴールドでそれなのだから、プラチナスタークラスなどもう神の領域だ……まぁ、プラチナスターを持つ魔法少女は今現在、片手で数えても数本の指が余ってしまう数しかいないがな……」
「そのランクって、ダ一クエネルギ一を数多く倒せば勝手に上がるの……?」
「闇雲にこなしているだけではランクは上がらない。普段の行い、魔法スキル、精神状態、自らの意思が主な要素だが、その他の様々な因子も複雑に絡み、組み合わさって発動するもの故に、意識してランクアップを試みても大抵は失敗してしまう……つまるところ、我々も詳しくはわかっていないのだ。ある意味りおんの適当さが、飛び級現象を誘発させたのかもしれないな……」
解説にもピクリとも興味を示さないりおんに、ステッキさんが賭けに出る……。
「ランクアップする度に、時給を上げるか……」
「ん〜、それはいいや……ランクアップは名誉って事でいいんじゃない」
清々しいりおん……。
「言ってくれるな……りおん」
「わたしも、そこまで貪欲じゃないよ……」
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