文化祭・序~005

 山塊の二人に手を振って別れた。トーゴーと兵藤はいつの間にかいなくなっていた。あの野郎ども、逃げやがったな。

 会議室を見ると、まだ生徒はいるが殆どは帰ったようだ。遠いところから来たんだから早く帰らなきゃって事だろう。駅には他校生がいっぱいいるんだろうな。

 じゃあ俺も帰ろうとしたところ――

「緒方、ちょっといいか」

 またかよ。今度は誰だよ……暴れねーっつってんだろ面倒くせーな。

「松田か?なんだ?」

「あー……ちょっと頼みがあってだな……」

 すんごい言いにくそうに。視線を下に向けて微妙な笑顔を拵えて、頭を掻きながら。

「当日は暴れねーから心配すんなよ。みんな心配性だよなぁ……」

「うん?あ、いやいや、そうじゃねえ」

 慌てて手をパタパタ振る。違うのか。だったら純粋に話があるのかな?

「んじゃ、なんだ?無理なら無理って言うから、取り敢えず言ってくれ」

「ああ……えっとな、タイマン張ってくれって……」

 またまた申し訳なさそうに、後ろに控えている角刈りのごつい奴に指を差しながら。

「タイマン?喧嘩してくれってか?しかし、お前も知っての通り……」

「病院送りになりたくなきゃそう言う事言うなって言ったんだけどな……」

 その辺も織り込み済みなの!?なんなのあいつ!?マゾなの!?

 その角刈りのごつい奴が松田を押しのけて前に出る。

「自己紹介の時にも名乗ったが……砂丘高校、赤城 鉄平だ。お前の噂は聞いている。松田からもよく聞いている」

「松田がなんて言ったか知らねーけど、地域友好協力校とは喧嘩できねーよ。仲良く楽しくやりたいんだ」

 和気藹々と行きたいんだから喧嘩しようなんて言うな。どうしてもって言うんだったら木村か河内に頼め。

「いや、お前がいい。安心しろ、遺恨は残さねえ。病院送りになろうが、入院しようが、お前は何も気にする必要はない」

「気にするだろうが。なんだってんだよ。猪原をぶち砕いた事か?あれは雑魚だから大抵の奴なら普通に勝つよ。だから俺が特別って訳じゃない」

 確か以前そんな感じの事を松田から聞いたことがある。猪原程度なんかお前でも楽勝で勝てるから。興味持たなくていいから。

「……確かに猪原が原因だ、お前に興味を持ったのは。猪原を雑魚と評するのも大したものだが、お前、南海、ともすれば潮汐もまとめて一人で叩こうとしたらしいな?」

「叩こうとかじゃねーよ、やるっつうなら全部とやると言ったまで」

 言い切ったが結構な大声で笑われた。

「他の奴が言ったらホラ話しにか聞こえんが、成程、お前は本気で言っているな。よく考えていないとも言えるが。南海と潮汐全部と戦えば間違いなく負ける。それでもやると言うんだろう?」

 本気も本気だし、よく考えていないもの事実。そして別に負けてもいいと思っているのも事実。

「最終的に、俺に関わるりたくないと思ってくれればそれでいいよ。なんだら殺して見せしめにしてもいいしな」

「……それも真意か?」

「なにが?」

「殺してもいい、の所だ。比喩じゃなく、本気でそう思っている」

 何の躊躇もなく頷いた。しかしだ。

「できれば殺したくねーな、とは思っているからなマジで」

「……松田が言った通りか。いや、俺に認識が甘かったか」

 松田を見てそう言う赤城。松田、呆れ顔で頷いた。

「緒方は嘘がつけないんじゃなく、素直だからな。思った事をそのまま言うんだよ。つまり本気だってこった。だから、タイマン受けたとなったら、お前が次に目覚めるのは病院のベッドの上だってこったよ」

「……お前も俺が負けると思っているようだな?」

「緒方に勝つって事は並大抵の事じゃねえって言っただろ。なんで友高校協定の頭が緒方を止める事に神経を尖らせるかだ」

 いや、普通にヒロに負けているけど。勝つまでやるとかはないんだけど。

「……益々知りたくなった。緒方、お前の本気をな。松田が認めた男の強さを感じてみたい」

「俺はそんな大層な奴じゃねえってば……みんな勘違いしてっけど、年末の騒動で勝ったのはまぐれだって……」

 うんざりした体の松田だった。実力に見合った評価を貰っていないと何度も言っているしな。

 だけも、やっぱりお前は俺達レベルだ。自分じゃ気付いていないんだろうし、信じられねーんだろうが、俺はヒロ、木村と同じレベルだよ。

 事実、山郷高校の岸ってのも俺がそう言ったらひどく驚いていたし、つまりは周りもあんま信じちゃいないんだろう。

 俺達に気に入られて友高校協定のトップの一角に収まったラッキーボーイとしか思われていないんだろう。

 山農連合(?)に集まった高校は、友高校の傘に入りたいから松田に取り入ったに過ぎないんだろう。松田が話を持ってきた時に、棚ぼたと思った事だろう。

 だが、こいつは違う。赤城は松田の力を知っていた。いや、気付いたと言うべきか?

 俺達に頼りにされるって事は、そう言う事だって気付いたんだろう。

 だったらいい。お前の見る目は正しかったのだから。ならば応えてもいい。友達を認めた奴の願いなら。

「よし、赤城、勝負を受けてやってもいい。だが、条件がある」

 俺の言葉に意外だと松田が口を挟んだ。

「お前が勝負を受けるって、珍しいんじゃねえ?一方的にぶっ叩くんじゃなく、試合みたいなもんだぞ?」

 頷く。その通りだからだ。

「赤城も言っただろ。遺恨は残さないと。その言葉、信じるよ」

「有難い……!じゃあ…」

 早速、と言おうとしたところを、手を翳して制した。

「まだ条件を言っていないだろ。早まるなよ」

「そ、そうだった。なんだ条件とは?」

 何、簡単な事だよ。

「勝負が終わったら友達になってくれ」

 言ったら目を丸くした赤城だった。松田は笑いながら頷いたけど。

 んじゃ、と人気の無い所へと案内する。糞だったら時も場所も場合も選ばないが、これは赤城の頼みだからな。

 やって来たのは河川敷公園。やっぱり人がまばらに居るが、学校よりは遥かにマシだろ。

「緒方とか言ったな。普段のお前でも構わないぞ。俺がついているから病人にも担いで行ける」

 連れの猿間って奴がそう言ってきた。

「お前は俺の事知ってんだな、その言い方じゃ」

「ああ、赤城がどうしてもって言うからな。俺はやめとけって何回も言ったけど聞かなくてさ、だけど一応は頼む。あんま酷いの事は勘弁な?」

 俺に耳打ち宜しく、そうこそっと言う。ガチで戦いたいって言ったのは赤城だって事だ。

「心配いらねえよ猿間。なあ?」

 松田がそう振って来たので頷いた。猿間はなんか「お、おう」とか言った。

「勝負を受けてくれて感謝する緒方。お前の噂は聞いているが、俺も強いから心配無用だ。だから手加減なしで頼む」

「ああ、参ったは聞いてやる」

 構える俺。赤城も構えた。

「参考までに言っておくが、噂で知っていると思うが、俺のベースはボクシングだ。お前のその構えは格闘技じゃねーな」

「ただの喧嘩屋だからな」

 それでも十二分に強い奴はいる。木村もそうだし、河内もそうだ。果たしてお前はあいつらの所に居るのか?

 地を蹴った。懐を取るために。

「速い!」

 言いながら焦った様子を見せず、コンパクトなショートフックを合わせて来た。それを更に搔い潜って肩で胸を押す。

「っち」

 踏ん張ってバランスを維持した赤城。体幹はいい方だな。ならば半歩程下がっての左アッパー!

「がっ!?」

 チンに入ったアッパー。手加減しているから流石に砕こうとは思っちゃいないが、結構驚いた。

 タフだこいつ。ふらつきも無しとか。意外とやる。猪原よりも頑丈じゃねーか多分?ガタイがいい分そうだとは思っていたが。

 手を伸ばしてきた、どこか掴もうって魂胆だろう。

 させねーよとばかりにバックステップで逃れる。

「力押しと聞いていたが、なかなか……!」

「そっちが望みか?だったらそうしてやるけど」

 まだまだダッシュする俺。懐を取ろうって事で、さっきと同じだが、速さが違う。

「!?」

 言葉を発する暇すらないだろ?そう言う事だよ。俺の本気は。

 そして潜り込んでの左フック!見事リバーを捕えた!

「……っか!?」

 ぐらついた身体。タフだとは思ったが、リバーブローは流石に厳しかったようだな!

 返す刀で右フック。身体がきれいに流れて膝を付く。

「ダウンを取ったぞ。まだ続けるか?」

 見下ろす形で問う俺。当たり前だが赤城もまだまだ余力がある状態。続けるって言うんならまたギアを上げる。

「……全然余裕だな。まだ手加減されているって事か」

「そうだが、それは俺のせいじゃねーだろ?」

 挑んできたお前の力がその程度だから、本気になるまでもないって事だろ?

「それとも、他に何かあるのか?だったら見せてみろ。このままだったらノーヒットで終わる。終わらせる自信がある」

 赤城が笑う。そして立つ。

「……まだあると言われたら、あるに決まっている。それを見せなきゃ終われねえ」

「そうか。安心したぞ。松田がお前は強いって言っていたからな。松田の目が曇っていないって証になるからな」

 今度こそ構えた。さっきも構えたが、今回は違う。本気が宿った拳を握ったのだから。

「……緒方の気配が変わったぞ。赤城、本気出せ。じゃねえとすぐに終わっちまう」

 松田が助言宜しく発した。猿間って奴はびっくりしたが。

「気配が変わった?俺は何も感じなかったが……」

「変わった。殺す、までは行かねえけど、砕く意思は確実にある」

 流石親友。解っていらっしゃる。

「……その砕く意思よりも先があるのか…」

 赤城が戦慄したように汗を流す。松田はどっちも見たからな。砕く意思と殺す意思。

 まあいいや。俺はいつも通りなだけだ。付いてこれるかはお前次第。

 足に力を籠める俺。またダッシュで懐を取ろうって寸法だ。

 しかし、それは叶わなかった。赤城の方から突っ込んできたから。

「ふん!!」

 左のパンチ。遅いとは言わないが、その程度じゃ俺はぶん殴れない。逆にカウンターを喰らわした。

「……!」

 感心した。カウンターの左ストレートを『見ながら』顔面で止めたのだから。

 狭川寄りのデフィンス。だが、向こうは自分から向かってダメージを軽減させたが、こいつはただ踏ん張っただけ。ダメージは確実に通っている。

 成程、頑丈だな。耐える選択をしたってのは、自分の防御力を信じたからか。証拠に右を振り被っているし。

 ならばその右にも合わせてやると、左を引いて右を放つ。

「……!」

 カウンターを躱したか。まあ、来ると読んでいたからだろうが、それでも驚嘆に値する。猪原だったら間違いなく喰らっていたぞ。

「うおおおおおおおおおおお!!」

 気合の雄叫びを上げてその間合いでミドルを放った。蹴りじゃなく膝でのダメージ狙いか?

 その膝に左を合わせる。顔を顰める赤城だが……

「貰った!!」

 右のパンチ、いや、喉輪!!咄嗟に身体を引いたからダメージは完璧に通らない筈だった。

「かは!?」

 半端な威力な筈だが、喉が潰れるかと思った。こいつ、見た目通りにパワータイプか!!

 大きく後ろに跳んで間合いを確保し、咳き込む。

「流石だ緒方!!あれを喰らってもそんだけ動けるとはな!!」

 馬鹿野郎、褒めるんじゃねーよ。お前これちょっと洒落なんねー威力だぞ。

 しかし、急所も躊躇なく狙ってくるとか。松田が自分よりも強いと言った所以が此処か。松田が急所狙いはやらないし。あの糞牧野相手でもやらなかったようだし。

 だが、まあいい。貰ったのはこっちが悪い。これは馴れ合いとは言え喧嘩だったな。

 ご自慢のパワーを真正面からぶち砕いてやるよ糞が!!

 今日一番のダッシュをかました。赤城、面食らった顔。あれが俺の限界かと思っていたのか?だったら甘々だよお前!!

「あああああああああああああああ!!!あああ!!」

 大きく振り被っての右!流石にガードする余裕はあったようで、腕を十字にして俺の右を防いだ。

「って!」

 馬鹿野郎かお前は。喧嘩途中で痛いとか言うんじゃねーよ!

 スタンスを戻して更に接近。左フックのリバーブロー!!

「かはっ!?」

 身体がくの字になった。頑丈が売りなんだろ?もっと耐えろよ!!

 フィニッシュとばかりにまた大振りの右フック!!赤城の顎を綺麗に捉えて、二度目のダウンを奪った!!

 さっきも言ったが、馴れ合いとは言え喧嘩。流石に糞相手のようにはやらないが、そこそこはやらせてもらう。

 ぶっ倒れた赤城の鼻っ柱に蹴り。俺は蹴りが苦手なうえ手加減したから骨折までは至らないが、それでも鼻血は出た。

「って…!こいつ、蹴りもうまい…」

 転がって立った赤城だが、面くらっだだろう。俺がパンチの間合いでスタンバっていたのだから。

「あああああああああああ!!!」

 右ストレート!咄嗟も手伝ったか、赤城はそれを掌で受け止めた。

「っち!ちょっと甘かったか!」

 瞬時に引き戻そうとするが、それよりも握られた方が早かった。

「捕まえたぜ緒方!」

 俺の拳を握ったまま引っ張って引き寄せる。しかし、俺はそれをスタンスを広げて踏ん張った。

「俺にパワー負けしないだと!?」

 当たり前だ。俺はめちゃくちゃ鍛えてんだから。その程度じゃ崩すことはできない。

 逆に引き剝がそうと引っ張るが、赤城はやっぱパワータイプだ。それは叶わず。

「なかなかのパワーじゃねえかよ!!」

「俺に力負けしないとは、松田以来だ!!」

 松田もパワータイプだったかそう言えば。本人曰く、農業高校だから力はあるとの事らしいが。

「ふんぬあ!!!」

 本気で引っ張ったか、俺の身体が流れた。力は向こうが上かよ。

 しかし、身体が浮いたのは久しぶりだな。って、感心している場合じゃねー!

 左の喉輪!!ヤバいと思い、左でガードする。しかし、それはフェイク。左手も掴まれた!!

 両腕を取られて絶体絶命。こんな感覚久しぶり過ぎる。いつもは取られるヘマは絶対にしないってーのに!!

「おらああああああああああああ!!!」

 浴びせ倒し!!背中をもろ地面に打った!!

 この野郎が、超いてーじゃねーか!!俺は絶対に痛いとは口には出さないけどもな!!

 そのまま馬乗りになられた。マウントを取られた。

 タコ殴りを警戒して脱力するがこの野郎、腕を極めに来やがった!腕挫十字固!

「利き腕をこうも極められたら打つ手なしだろ!!」

 確かにな。打つ手はないように思う。しかしだ、さっきも言ったように、ご自慢のパワーを真正面から粉砕してやるんだよ!!

「あ!」

 極められた腕に力を込める。

「無駄だ!!完全に決まってる!!」

 他の奴、というか、今までやり合った奴なら無理なんだろうが、俺はそんな糞雑魚じゃねーよ!!

「あああああ!!」

「!マジか!?」

 俺の肘が内側に曲がった。パワー勝ちをしたって事だ。しかもこの状況で。

「あああああああああああああああああああ!!!!」

 完全に極まった状態からの脱出!ついでに肘で金的を打つ!

「かあっつ!?」

 赤城の目が飛び出た。いや、勿論比喩だぞ。そして、当たり前だが足の力も別方向に向いた。脱出が容易になったって事なので、転がって逃れた。

 赤城も立ってぴょんぴょん跳ぶ。ヒットポイントから外れた筈だが、そこそこの有効打にはなったようだ。

「おい」

「ちょっと待て!これは卑怯がはっ!?」

 喧嘩に温い事を言いやがった赤城の顔面にストレートを食らわした。あのガタイが半回転して、三度ダウン!!

「待ってやるから早く立て糞雑魚が。間接極めたからって油断しやがって、今まで適当な雑魚としか遊んでいなかったようだな?あ?」

「くっ!こ、こいつ……マジだ!」

 流れた鼻血を袖で拭いながらの言葉だった。マジってなんだよ?今まではお遊びだとでもいうのか?

「マジにさせたきゃもっとやる気出せ。あんなもんで試したつもりか?」

「マジってそういう意味じゃねえよ……だが、解った。もうやめだ。俺の負けでいい」

 万歳して敗北宣言。これからだろうに、何言ってんだこいつ?

「緒方、お前の勝ちだってよ。だから殺気ひっこめろよ。おっかねえだろ」

 松田に肩を叩かれて力を抜く。猿間って奴が目を剝いた。

「……あれで収まるのか?松田の親友ってのは本当だったのか……」

「どういう事だ?」

「……あの雰囲気じゃとことんまで行くと誰でも思うだろ…」

 とことんは無いだろ。赤城の腕試しに付き合ったまでだから。

「まあいいや、存分に飛び跳ねろ」

 金的のダメージがまだ抜けていないだろうと思っての進言だ。

「そこまでじゃねえからもういい。だが、やっぱりだ。力負けしたのは松田以来だからな。噂以上の強さだ、お前は」

 さわやかに笑ってそう言うが……

「お前松田とやった事あるのか?松田が言うには自分よりも強いって言ったが」

「やったことは無いが、力比べはした。腕相撲とか、その他諸々な。全敗したよ」

「力と喧嘩の強さは違うだろ……」

 やっぱりげんなりする松田だった。パワータイプにパワーで勝ったんだから、誇ってもいいと思うぞ。

「つうか俺を試す前に松田と白黒つけたら良かっただろ。わざわざ……」

 俺に挑むなんて余程の馬鹿だぞ。白浜の生徒なら全員そう思う。

「松田には負けたって言っただろ。だから松田曰く、自分よりも強くて凶暴な親友はどんなもんか知りたかったんだよ。噂も噂だし、実績もそうだしな」

 実績っつったって、そんな大したことはやってないが。というか喧嘩自慢したことは全くないんだけど……

「緒方、今月の最終日曜日、ウチ来るんだろ?」

 最終日曜日と言うと、ヤマ農の文化祭、っつうか収穫祭とやらだったか。

「行くよ、楽しみにしてたんだから」

「そうか。お前の他にも誰か来るんだろ?」

「多分、としか……遥香は間違いなく行くと思うけど……」

 俺が行くと言うのならついてくるのが遥香だ。

「前も言ったけど、忙しいから俺は案内できない。だけど案内は欲しいだろ?赤城が案内してくれるってよ」

 え?そうなの?だけどこいつって砂丘だろ?ヤマ農の文化祭の案内なんてできるのか?

「ヤマ農の収穫祭は土日二日に渡って行われるんだけど、赤城は土曜に全部見て回って日曜にお前等を案内してくれるってさ」

「そんな手間かけさせて心苦しいんだけど……」

 こいつは全く楽しまないって事だろ?言うならば接待でわざわざ山農に出向くんだから。

「今日の礼だ。だから遠慮はいらねえ。寧ろお前の友達とやら、全員呼んで欲しいくらいだ」

 なんでそんな使命感もってんのお前!?キリッとかしているし!!

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