第22話



「言ってくれてありがとう」


私はそれしか言えなかった。いや、これしか言えないんだ。

むしろ、この答えが正解で、私が澤と付き合えるはずがない。

後悔も罪悪感ももちろんあるが、言ってよかった。私はきっと、次に進める。

志乃のことも考えたら、付き合うことができるかもしれない。


そのところに、丁度志乃が走ってやってきた。


志乃は私の顔を伺って、何かを察したのか澤に気づかれないよう自然に肩をポンと叩く。


「あさちゃんと澤にはパピコ買ってきた。俺だけ雪見大福」


志乃は私たちのパピコを割って、渡す。ひんやりしていて気持ちを取り戻した。


私、情けないなと泣きそうになった。


「そういえば、澤なんでこっち方向なの?可愛いあさちゃんと帰りたかったの?お?」


私を含め3人は同時にアイスを口に含んで、食べながら話したのは志乃だった。

志乃の疑問は私と同じだった。


「ん?ち、…違う!もちろん可愛いけど!2人に相談があったんだ」


志乃の発言にめちゃめちゃ動揺していたけど思い出したように喋り出した。ついでに私のことを褒めた。


「サナが、最近変なんだ。俺はさ?好きだよ?ずっと大切にしたいって思ってるんだけどサナから感じなくて。今までよりも。」


相談というのは、澤がサナちゃんと上手く行ってないということだった。

これは想定外だった。

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