第17話



数日後



私は、志乃に2度目の告白をされてから少しずつ避けるようになった。

もちろん嫌ってないから仲が良いから一緒にいるけど前より壁があるように思う。


志乃が今まで想ってた人が私と思うと、急に恥ずかしくなる。

そういえば志乃が本気だって言ってた。でも、片思いでいいと言っていた。どいうことだろうか?


「で、話って何よ」


相談するのには、この人しかいない。この人だって薄々気付いてると思うんだけど、分かったようなフリして私の反応を伺うから苛立った。


「彩葉ーー!」


嘲笑うこの人こと、彩葉に助けを求めながら名前を呼ぶとまた鼻で嘲笑って自分の耳朶を持ち耳を傾けてくる。


「志乃がどうしたって?」


「う、うるさい!聞こえるでしょ。」


ほらやっぱり分かっていた。

彩葉でも私たちを外から見てなんかあったと分かるくらいだ。


志乃からそう言われてから、私たちは別々でご飯を食べることになっていた。

だから誰も居ないけど、誰かに聞こえないように話した。



「う、うん……なんかさ………」


なかなか話の続きが言えなくて、朝に買った紙パックのジュースを吸ってチラリと志乃のことを見る。

志乃は相変わらず楽しそうに話していて、特に澤と。

だからなんかなんで私だけこんなに悩んでいるのだろうと深く思ってしまった。


「志乃に、告白された」


私は静かにそう言った。そうすると

彩葉は"ふーん"なんて言いながら何か言いたげに私の顔を見た。私は疑問を浮かべ顔を傾げる。


「だろうなとは思ったよ。」


知っていた、と言わんばかりのような表情をしているのにも、関わらず卵焼きを1口くちにした。


「え?!そういうオーラ出てる?」


「私は分かったよ?そういう感じかなって。だって、志乃とあさだよ?それしか考えられないって」


私はその言葉を聞いて同時にジュースを喉につまらせて勢い良く咳をする。そのことについて喉につまったのか、たまたまだったのか分からないけど。


「で、どうするの?男を待たせちゃ駄目だよ。他の女に行ったらどうするの?」


「ど、…どうするって、…。分からないから聞いてるの」


「じゃあ、あさは志乃の事が好きなの?前にも1回告白されてるんでしょ。なら悩むことないんじゃん?」


彩葉の言っていることは全て正しい。過去に1度告白されてるからこそ答えはすぐそこ。でも、前みたいに傷つけたくない自分もいる。私はどうしても志乃のこと友達としてしか見れない。もちろん、彩葉のような感覚で。それは志乃も知っているはずだ。だからこそ告白してきたのだと思う。

それに私は、澤のことが好きだ。彼女がいたとしても恋をしてしまった

自分にはもう嘘をつきたくない。


彩葉は私にミニトマトを差し出しあーんすると同時に、"もう答えは出たでしょ"と私に言った。



口に含んだミニトマトは甘酸っぱかった。







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