第8話





5時限、6時限と終わったはずなのに、昼休憩で動きすぎて、だるさと眠さが止まらない。

私はギリ起きていたけど、彩葉は机に突っ伏して寝ているし、志乃や澤も口を開けて盛大に寝ていた。


授業終わってみんな帰りの用意しているのに、それでも起きないなんて。

だるい身体で立って皆の周りに行くと丁度、志乃が起きた。


「…んあ、ねむ、あさちゃんおはよー」


志乃は寝癖をたくさん立てて目を擦りながら挨拶する

こいつは、寝起きも、イケメンなのかよ!と突っ込みたかった。


「澤〜起きろ〜五十嵐くるよ〜」


志乃は澤の身体をゆらゆらと揺らして起こす

ちなみに、五十嵐は私たちの担任。

まあめっちゃくちゃ優しいから、起こさなくてもいいと思うんだけどね。


澤の身体が少し揺れた。


「………ん、〜〜」


澤は少しずつ身体を動かして、手を伸ばす。それと同時に欠伸もした。

同じく寝癖がたくさん付いていて、面白かった


「………ね、む。……あ、あさちゃん〜」


こいつもイケメンだなおい!

なんなんだ、二人して。

もうあさちゃん呼び辞めてって言っても無駄なんだろうな。


私もつられて、欠伸が出てしまって、口を抑えた。


「二人ともおはよ〜。彩葉起きないんだけど志乃起こしてきてよ」


「はー?……寝起きの王子様にそんなこと頼むのですか?」


志乃は目を擦りながら、そう言って嫌々席を立ち上がる。

なんだかんだ、そういうところは、気が利くと思う。

彩葉は起こしても全く起きないから、いつも志乃に頼んでいる気がする。


「……おーい彩葉〜彩葉〜………。ったく。おい!ブス野郎!起きねえと擽り地獄だぞ!さっさと起きやがれ!」


そう志乃はキレて、ばしばし彩葉の肩を叩く。

志乃面白すぎる。

彩葉ムクっと起き上がる。


「……ん〜〜、うるせ…えな。イケメンにブスって言われると死にたくなるんだよ引っ込んでろ!」




たしかに。


彩葉は寝起きが超と言ってもいいくらい



悪い。



志乃はいつもそれで怒らせてしまうんだ。

澤も目をまんまるくして吃驚していた。

そうなるわな。


仲良いのだか、仲悪いのか。



「ごめんね、彩葉〜。帰りクレープ奢るから」


「……はぁ。ストロベリーチョコバナナね」


志乃は呆れながら、"はいはい"と返事をした。


ほんとに仲良いのか悪いのか分かりません。








「二人とも、面白いね」


澤がお腹を抱えながら大爆笑してそう言った

いっもみているものだから、笑うほどではないが、見てて嬉しい気持ちになる。


「藤ちゃんって、あんな感じなんだね。なんか、クールビューティーで、かっこいいわ」


さすが。澤。

ほんとに彩葉ところどころ、クールビューティー。

キレるときは、場所関係なく怒鳴るし

優しいときはめっちゃ、めっちゃ優しい

サバサバしていて、なんだか放っておけないなって私は感じる。


「藤ちゃんは、なんだか放っておけないね」


「だよね?私も今同じこと思ったよ。彩葉ともっと仲良くなってよね。私それが凄く嬉しいんだ」


「もちろん。あ、五十嵐」


そんなこんなしているうちに、担任の五十嵐が現れた

優しいからすぐ話は終わって、

みんな次々教室を出ていく。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る