第5話
時刻は、21時。
歓迎会がお開きになり、みんなそれぞれカラオケから出る。
私と志乃は家が近いから一緒の帰り道になる
澤は、私たちと帰り道が反対方向だから、みんなにバイバイして背中を見届ける
「澤、楽しんでくれてよかったな。1発目からうちらのクラスに馴染んでるしな。」
少し歩いて志乃がそう言った。確かにそうかもしれない
イケメンって大抵クールって聞くけど澤は違った。ノリがよくて、優しくて。フレンドリーといったところだろうか。
志乃2号といっても過言じゃない
そのへんにたいして、志乃はどう思ってるんだろうか
「そうだね。澤が来て澤が人気者になったら志乃負けちゃうんじゃない」
呑気にそんなことを言ってみると、志乃はヘラヘラと笑いだす
どこか可笑しかっただろうか
「澤が人気者になったら、嬉しいよ」
頭をポリポリとかいてにっと笑う。
「俺の好きな人、澤にとられないといいなー」
「あ、それ、さっき言ってたやつ。志乃は好きでいてもそのままじゃんか!行動に移せ!まあ、澤は彼女いるし大丈夫でしょ。」
さっきカラオケで恋バナしてたときに思ったことを志乃に言った
やっぱり自分でも分かってるんだと思う
「相手が俺のこと好きになってくれるまで待つ。それじゃなきゃ、意味ないんだよ。今度は本気って言ったろ?前の俺とは違うんだよ、ばーか」
叶わない恋をしているかのように少し悲しい顔をしていた志乃。
気になったけど、信じるしかなかった。
今度は本気って、今まで嘘だったのか、と突っ込みたかったけど、何だか今は言うところではないと感じた
「その恋叶うといいね。一番に報告してよ〜。」
友達だから、一番に報告してほしかったら言った。
志乃に彼女が出来たら、一番に応援してあげたいと思った
「果たして、俺の恋はどうなるんだろうか。駄目だったら慰めてよ。あさちゃん」
「当たり前!あ、あさちゃん呼び辞めてってこれ何回目かわかってる?」
「知らなーい!あさちゃんあさちゃん」
「うるさ!黙れナルシスト」
何度も私の名前を呼ぶ志乃はまたヘラヘラ笑うからそれが嫌で志乃にいう言葉が荒くなってしまった
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