第3話
1日の授業が終わり、志乃が急に騒ぎ出す
「今日、澤の歓迎会来る人ー!駅前のカラオケなんだけど。あさと彩葉は強制」
そう声が聞こえた。よかった、何も用事なくて。彩葉はすぐ近寄ってキャッキャッしている。
澤も嬉しそうにしていて、私も嬉しかった
割と集まって数十人で行くことになった
みんなも自然と教室を出ていった。私は帰りの準備に遅れてしまい、みんなと少し遅れて行こうとした。
でも教室の前に、澤がいた
「澤?!」
「結構待ったよ」
「え、ごめん!」
「うそうそ〜!みんな先行っちゃった」
「私場所わかるから、大丈夫だよ。ごめん、行こうか」
澤は頷いて私と並んで歩く
なんだか廊下には放課後なのにも関わらず生徒はいて、ガン見された。
まあ、澤イケメンだから。
沈黙が続いて、、
私が先に破る。
「澤はさ、どうして高2で転入してきたの?」
「なんでだと思う?親の転勤だよ」
澤はそう言ってまたニコッと笑った。
私、この人の笑顔好きだなあっと澤を見て思った
皆この笑顔に惚れているのだろうか
だとしたら何かわかる気がする
「そっか、今の時期に大変だね」
澤に返事を返すと、「えーそう?」と言いながらヘラヘラ笑う。
それが何だか可愛かった
まだ一緒に居たいと思った
そう思ってると、澤が急に指さして声を上げる
私は指してるほうに視線を向けた
「みんな、いた!」
私の視線の先には、数十人固まって歩くうちの制服を着た皆が居た。
「ねえ、脅かそうよ」
澤が突然そんなことを言い出した
そう言うであろうと思ったけど、少し吃驚した
私は澤と並んで'よーいどん'の合図で同時に走った
「「わ!!!!!!」」
私と澤で大声を出した
それにまんまとみんなは引っかかって体をビクリと動かした。
私はその姿が面白くて笑っていると澤も大声を出して笑った
「吃驚した〜〜〜、お前らそんな仲良かったっけ?」
最初の一声を発したのがやっぱり志乃。志乃はホッと胸を下ろしてそう呟いた
彩葉も相当吃驚していて、これは成功したのだと思った
「俺ら、親友だもんな〜〜」
「え?ん、うん」
澤のその言葉に返事せざるを得なかった
親友、その言葉に嬉しすぎてなのか、よく分からなかった。
「あ、ここのカラオケ〜」
志乃が指さしたカラオケは私達がよく行っている店
さっきも澤に言った通りよく知っているお店だ。常連さんとは行っても過言ではないと思う
私たちはゾロゾロとそのカラオケに入っていく
適当に受付をして一番広い部屋に設定してもらった
「あ、俺ジュースみんなの分持ってくな!俺のセンスで良ければだけど。」
受付を終わらせ部屋に行く前に澤が立ち止まってそう言うから、私も行くと行って二人で行くことになった
「じゃあ〜任せたわ〜。あさちゃん頼むな〜」
志乃はヒラヒラと手を振ってそう言った
だからまたなんで、ちゃん付けるのよ…
不機嫌そうな顔をしていたのがばれたのか、澤は私の顔を覗き込むように見てきた
「な、なに、」
「いや〜、やたらちゃん付け嫌がるなって思って」
「嫌だよ!志乃は仲が良いから余っ程嫌だ」
「じゃあ俺があさちゃんって言ったら?」
「別に澤ならいいよ、」
「じゃーあ、あさちゃん!」
そう名前を呼び、私がジュースくんでるときにずっとあさちゃんあさちゃんと後ろで言っていた
志乃ほどではないが、少し鬱陶しかった
「終わりね。最後澤何飲むの?」
「んー、あさちゃんのおまかせでいいよ」
「えー?………じゃ、澤はねカルピスってイメージだからカルピスね。よし、これで揃ったかな」
私がお盆を持とうとすると、澤が横からいきなりお盆を取り返すように持って口を開いた
「俺持つからいいよ」
少しだけ、キュンときた
私はそんなに澤の後について部屋に向かって歩き出した。
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