とある男女が出会い、男の部屋に入っていった。
いってしまえば、いまのところ(第5話まで)それだけの話なのですが、
魅力的なキャラクターから発せられる大人な台詞、大人な駆け引きの応酬。
さらには主人公瞳子の心理描写の細密さで、ズルズルと物語世界に引きこまれます。
なんでしょう……読んでいると自分の体温が上がっていくのが解ります。
基本的には女性向けの物語だとは思いますが、男目線で読んでも面白いです。もちろん女性が読んでも同様でしょう。そう考えると、男女共に受ける希有な魅力をもった作品ではないでしょうか?
はたして、礼隆に身体を許した瞳子はどうなってしまうんでしょうか?
女性慣れしたイケメン礼隆の過去は?
瞳子と関係をもったその真意とは?
タイトルにある純情は瞳子でしょう。と、すれば激情は礼隆?
いまのところのクールな彼からは激情は欠片も感じません……
うあ……、考えたら先が気になって仕方がない。
興味先行で読ませてしまうようなズルい構成(笑)なのですが、読んだあとに後悔しない面白さがあります。
題材も流れもエロティックで一見、大人の読み物風ですが根底にあるのは純で夢見がちな女性の理想と自分探しの物語。なので安心して読み進めると思います。主人公の行動に何かしらの答えを出させるような書き方ではなく、常に自分と照らし合わせ自問自答し、比較させるような書き方なので、そういった意味では胸を揺さぶられる方も多いのではないでしょうか。
最新話を読むにあたり大凡の着地点が定まったのだと感じましたので、どうFINISHして行くのか妄想を交えつつ読んで行きたいと思います。
いえ、読みたいと思うのです。
完読した時点でのレビューになります。
ストーリーは、見た目のギャップに苦しむ女性と、訳あり遊び人の男性が、体の関係だけと割り切って付き合い始めていくものです。
美人で男慣れしているから、当然男を喜ばせてくれるものと勘違いされる主人公の瞳子の恋愛はやり逃げされるばかり。そんな瞳子の前に現れたのが、セックスにしか興味のない遊び人で年下の男性である礼隆。
二人は互いに理由をつけながら体の関係を重ねていくのですが、次第に芽生えていく様々な感情にいつしか翻弄されていきます。
物語の見所は、そうした割り切った関係だったはずの二人に芽生えてしまった綻びです。その綻びを、巧みな心理描写を交えた展開で丁寧に描いてありますので、いつしか繰り広げられる世界にどっぷりとはまることになります。
ラストは、おそらく賛否両論あるかもしれません。しかし、そうなるほど膨れ上がった気持ちこそが、激情であり、かつ、嘘偽りのない純情だと思いました。
ぜひ皆さまも一読されて、運命に翻弄されながらも見つけだした純情とは何かを、自分なりに考えてみるのも面白いかもしれません。
大人の甘くも苦い、それでいてなぜか純粋な恋愛さえも想像させる作品。ぜひ一度読んでみてはいかがでしょうか? 特に大人の方には強くオススメします!
タイトルにある『純情』と『激情』は、一見異なるようにも見えて、実はガッチリと絡み合いながら相乗効果を発揮しているものだったんだなと感じさせてくれる一作です☆
人は見かけによらない。そして、見かけ通りの人だって変わることができる。過去の恋愛経験で臆病になっている瞳子ちゃんと、若いうちに酸いも甘いも経験し尽くした礼隆くんとの一風変わったラブストーリーです。二人の距離が少しずつ縮まっていく過程だけでも興味をそそりながらページをめくれますが、それぞれに立ちはだかる恋敵(越川さんとリサちゃん)が良い感じでインパクトを残してくれるところもポイントです。それぞれが似た者同士のように見えて実は全く違う。だからこそ、惹かれあったり離れたりするんだろうなとも思わせてくれます。自分はこうだ、自分だったらこうするかもと言ったような感情移入もしやすく、読みやすさ抜群の小説です☆
物語というものは登場人物に感情移入するか、つまりどれだけ入れ込むことができるかということも面白さの判断材料になると思います。
そういった観点から見てこの作品は読者に派閥ができるほど面白い作品だといえます。
◯◯派から見たストーリーと●●派から見たストーリー、そして△△派から見たストーリーで違った楽しみ方ができる、これは本当に凄いことだと思います。一粒で三度美味しいとはまさにこのことですね。
ちなみに詳しいことは書けませんが、越川派として物語を読み終えさせて頂いた今、「世にも美しい寝取られ」、「敗れゆくものの美」、「二度あることは三度ある」などという言葉がアタマを駆け巡っています。
越川先生の次回作、次こそ期待しています(`・ω・´)ゞ
グラマラスで色っぽい見た目な瞳子は、心でつながる純愛を求めている。しかし、男性の欲をそそる容姿が災いしてしまって、寄ってくるのは体目当ての男ばかり。
そんな彼女が出逢ったのは、いかにもちゃらそうで女に全く不自由したことがなさそうな遊び人大学生、礼隆くん。そしてもう一人が、この人とならば穏やかながらも幸せな未来を築いていけそうだと確信できる誠実な男、越川さん。
このまるで正反対な二人との出逢いが、瞳子の心を大きく揺るがしていくのです。
至るところにドキドキハラハラの盛り込まれているストーリーが、すっと頭に入ってくる文体で丁寧に描かれています。特に、繊細な心理描写、上品な官能的表現に何度も惚れ惚れしました。驚くほどに美しいエロを体現しているのです、本当に。
果たして彼女は、求めていた心でのつながりにたどり着くことができるのでしょうか――?
大人な恋愛の物語をお求めの方に、ぜひ、読んでいただきたい物語です。
自分に正直であることは正しいことなのか。
正直に生きることは、時に周りの人を傷つけ不幸にするかもしれない。
では自分を押し殺して周りに迎合するのが正しいのか。
周りは幸せになっても、自分の中にくすぶる想いがいつか綻びを作るかもしれない。
結局何かを選ぶ時は、何かを犠牲にしなければならない。
そうであるなら、正解は自分で作るしかないのだと、この作品を読んで強く感じました。
誰かを傷つけ不幸にしたのだと、その罪を受け止めて償っていく覚悟を持ったなら、どちらの道も正解だったと言える日が来るのだと……。
そんなことを考えたくなるような小説でした。
とても面白いです!
おすすめレビューとは、その名の通り他人に推薦する作品を紹介します。本作を薦めることが読者にとって、どのような影響を受けるか不安になりますが……書き手さんが多いカクヨムの特徴を考慮しレビューさせて頂きます。
物語を作る方には、是非読んで欲しい作品。
主人公の女性(27才)は、男性から見ると性欲をかき立てる魅力ある体の持ち主。当然、心ない男が寄ってきます。それに悩む主人公の前に年下の大学生(21才)が現れ「体だけの付き合いをしよう」と率直に言うのです。
真面目な恋愛をしたいと望む彼女を説得し、セフレという関係が始まります。
キャッチーな出だしで、読み手を惹き付けますが……
本当の面白さはこれではありません。
恋愛小説家。陽野ひまわり様の作品を読んだことがある方ならお気付きかも知れませんが、本作は異例な登場人物構成をされています。
作者さまの作品は物語の中に、確実な意志を持った主体性の塊のような人物が軸になっています。
しかし『純情と激情』には主体性を持った人物が一人もいない。
まさに人間味のある現代ドラマを表現していました。
主要人物が主人公を合わせて三人います。
この三人。まったく違う個性をもった人物なのですが、驚くほど共通点があります。
『利用される』
「正義感が強すぎる」「劣等感を持っている」「実は気が弱い」「主体性があまりない」「思い込みが激しい」「お人好し」
これらの特徴を共通点とし、徐々に利用されない性格。つまり主体性を身に付けていく成長物語に感じました。
三角関係の中で、幸せを掴めなかった人物は一番成長が遅かったと思います。
どうでしょう?
書き手の皆様。じっくりと創作研究も兼ねて、楽しんでみては如何でしょうか?
良い刺激になるはずです。
最後に……陽野ひまわり様。
ヘンテコなレビュー大変申し訳ありませんでした。
削除して下さっても全然かまいませんので、どうかお許し下さい。
結論から申し上げますと、「webではなく、装丁された書籍として読みたい物語」が今作です。
セフレ。この言葉がどういう意味を持つのか。物語の重要なキーワードです。ただ単なるオトナ女子向けの昼ドラとは、大きく一線を画しています。
主人公の瞳子が、六歳年下の大学生、礼隆と出会ったことによりお話は進んでいくのですが、ここからの瞳子の感情の変化が実に見事に描かれていきます。カクヨム界きっての技巧派の文体は、今話においてもいかんなく発揮されており、豊かな表現力でストーリーを盛り上げていきます。
そしてもう一人の重要な登場人物である越川との巡り会いで、瞳子の行く末がどのように変化していくのかも見ものです。
張られた伏線もお見事です。これで礼隆の立ち位置がより鮮明になっていきます。
まさかのラストシーン。ここで感情を揺さぶられたのは、わたしだけではないでしょう。
「純情と激情」のタイトル通り、人の心を奥深くまで描いたこの物語は決して後悔させないと断言いたします。