第14話 新生魔王と拷問室の狂宴
「グルヴェイグよ……俺を調教するとは、一体どういうことだ?」
拘束魔法で手首を縛られたまま、俺は訊ねた。
ここは聖隷グルヴェイグ王国の王城――その地下にある拷問室だ。
この国を支配する六芒の女神のひとりグルヴェイグが、異端派の人間族に厳しい審問をする際に使っているのだとか。
「ククク……言葉のとおりですよ、魔王ジュノ」
グルヴェイグは嗜虐的な笑みをのぞかせ、拷問器具が並んだ棚を物色し始めた。
俺の視線は、やたらと丈の短い修道服に集中する。
タイトな修道服の臀部には、グルヴェイグの丸くて大きな尻の輪郭や、大胆な下着のラインがくっきりと浮き出していて……。
それだけではない。
今にも尻たぶが見えそうなほど短い裾からは、ストイックに鍛えられた長い脚が伸びているのだ。
しかも、ロングブーツとガーターベルトを合わせている。
美脚を淫靡に際立てるアイテムの数々に、俺は不覚にも甘勃ちしてしまった。
「そうですね……お前には、コレがいいでしょう」
グルヴェイグがクルリと振り向く。
「さあ魔王。壁際の魔法陣の向こうには、お前の仲間たちがいます。お前が私に調教される無様な姿を、たぁっぷりと見せつけてあげましょう!」
魔法陣の向こう――どこかの野原では、スピカたちが小型の魔導監獄に拘束され、多数の魔獣と神獣、そして天使兵どもに取り囲まれている。
「さて、どうしたものか……」
「なにをブツブツ言っているんですか? ククク……今から、喘ぎ声しか口にできないようにしてあげますよ!」
グルヴェイグの手には、ブヨブヨとした青い筒が握られている。
長さは……俺の肉筒が覚醒したときよりも少しばかり短い。
「それは……スライムか?」
「よくわかりましたね。この子は新種のスライムです。先日、私の教義を否定する人間族どもを弾圧したとき、彼らの隠れ家になっていた洞窟で狩ってきました」
スライムとは、全身がゼリー状の物質でできた魔物の一種である。
その形状や特性は多岐にわたり、常に新種が発見されている生物だ。
新種と言うだけあって、俺も筒のようなスライムは初めて見る。
なにゆえ体が筒状で、さらにトンネル状の空洞を保持しているのか……。
「それで? キサマは俺にいかなる拷問をするつもりだ?」
疑問は尽きないが、今はグルヴェイグの出方を窺おう。
そんな俺の余裕が気に食わなかったのだろう。異端審問の女神は小さく舌打ちをして、筒スライムを揉み始めた。
「すぐにわかりますよ! すぐにね!」
ぐぢゅ、ぐぢゅぢゅ……ぐぢゅぅぅぅ……。
濁った水音が室内に響く。
なんと、筒スライムの空洞から透明の粘液があふれてきたのだ。
「ああ、いちおう言っておきますが、この子はメスです。だから安心してください」
「安心……だと?」
「さあ魔王ジュノ、立ちなさい!」
グルヴェイグに命じられ、俺はしぶしぶ身を起こす。
手首を縛られているせいで、直立するのは意外と骨が折れた。
「……ごくり。それでは……いきます!」
なぜか生唾を飲み込み、グルヴェイグが俺のズボンに手をかけた。
が、ベルトを外すのにやたらと時間がかかっている。
「……一旦スライムをテーブルに置けばよいのではないか?」
「~~~~ッ! い、今やろうとしていました!!」
怒られてしまった。
グルヴェイグは横のテーブルにスライムを置き、再び俺の脱衣に取りかかる。
ぎこちない手つきでベルトを外し、ズボンを下げ、俺が下着一枚になったときだ。
その場にしゃがみ込んだ彼女の手が、下着にかかった状態でピタリと止まった。
「……脱がさぬのか?」
「ぬ、脱がします! 脱がしますとも!」
すー……はー……と呼吸を整えるグルヴェイグ。心の準備をしているようだ。
そして彼女は勢いをつけ、俺の下着をズリ下ろした!
――ボロン。
グルヴェイグの巨尻によって半勃ちしていた魔性の剣が、拷問室に降臨を果たす。
彼女の顔面と黒光りするタートルヘッドの距離は――ほんのわずか。
「こ、これが……男性の……」
「キサマ、見たことがないのか?」
「ぐぐっ! あ、ありますとも! 毎日見ています!」
「ほほぅ? 見慣れているなら問題ないな。ほれ、ほぉれ!」
俺が腰を突き出すと、肉剣の先端部分がグルヴェイグの唇にピトッと触れた。
「ひぃぃぃっ!? キ、キキキキサマ!! キサマアァァァァ!!」
グルヴェイグが飛び退いて激昂する。
袖で唇をゴシゴシ擦り、テーブルに置いてあった筒スライムを引っ掴んだ。
「もう容赦しません! 私の神聖なるファーストキスを……ぅぐっ、なんでもありません! とにかく、この肉筒スライムこそが、お前への拷問です!!」
肉筒スライムが俺の股間に肉薄する。
グルヴェイグの唇に触れたせいで、我がシンボルは八分勃ちまで覚醒を遂げていた。
そうして赤黒く張りつめた先端部分に、スライムを押し当てようとしているらしい。
「クククッ……快楽の沼に沈みなさい、魔王ジュノ!」
「フッ、愚かな。スライムごときで俺が快楽の沼になど……」
と軽く笑い飛ばした、その直後。
――ぬぷううううぅぅぅぅ……。
グルヴェイグが俺の肉竿に、筒スライムを被せてきた。
筒スライムのトンネル状の器官に、肉茎を挿入している構図である!!
「ふぬっ……ううぅっ!?」
俺は為す術なく声を洩らした! これは予想外だった。
……気持ちいい。
理屈は不要だ。スライムごときに挿入しているだけだというのに、俺の肉茎全体に、ニュルニュルとした圧倒的快感が襲いかかってきたのである。
温かい。
柔らかい。
腰がとろけてしまいそうだ。
筒スライムの内側は、不規則な形の肉襞にびっしり覆われており、俺のモンスター・ジャベリンを蠱惑的にくすぐってくるのだ。
「ククク……そぉれ! そぉれ!」
ぐぷっ、ぐぼっ、ぶぼっ、ぐぼぼぼぉっ!
拷問室に淫らな水音が響き渡る。グルヴェイグが追い打ちをかけてきたのだ。
くぅっ……スライムを握ったまま、淫らな前後運動を開始するとは!
ずにゅっ、ぶぷっ……ぶごっ、ぐぽっ! ぐぽっ! ぐぽっ!
股間を暴力的な快感が包み込み――、
「うおおぉぉぉぉぉっ!!」
全力の咆哮に乗せて、俺は悦楽の粘液を放出してしまった。
びゅるるるるるっ! びゅぶぶぶっ! どびゅるるるるるっ!!
凄まじい勢いで射出された魔王汁は、壁際に展開した魔法陣へと降りかかった。
大量の白濁液が、魔法陣全体をドロドロに染め上げていく。
「はぁ、はぁ、はぁ……!」
「クククッ……アハハハハハハッ!!」
グルヴェイグは嘲りの大笑をぶちまける。
「まさか魔法陣にかけてしまうとは! 魔法陣の前にいるお前の仲間たちは、さぞかし刺激的な映像が見られたでしょうね!」
魔法陣の映像が切り替わる。
スピカ、リリス、アルテミスのドアップに。
皆、口が半開きだ。見てはいけない物を見てしまったとばかりに、頬が色濃く染まっている。
こ、この表情は……なかなか興奮するぞ!
ググッ、グググッ、と我が勃起角が復活を遂げた。
「えぇ? ま、まだ大きく……!? 文献では、ひとたび射出すればそれで終わりと書いてあったのですが……」
「グルヴェイグ。キサマ、やはり経験が……」
「あります! 毎日毎日、白い毒液を搾り取りまくっています!!」
ヒステリックに反論してくるグルヴェイグ。
どうやら火がついてしまったようだ。
「さあ魔王、床に寝転びなさい! 仰向けです!」
「う、うむ……」
俺は股間に筒スライムをハメたまま、ざらざらの石床に寝転がった。
グルヴェイグは俺を見下ろし、
「クククッ……いい眺めです! そろそろ本気を出しますよ? どちらが主人でどちらが下僕か、お前にわからせてやります!」
高らかに宣言すると、なんと俺をまたぎ、顔面に尻を近づけてきたのだった!
「さぁどうです!? 屈辱的でしょう?」
たっっっぷんっ――!
俺の鼻と口に、グルヴェイグの大きな尻がのしかかってきた。
視界を埋め尽くす巨尻、桃尻、女神の尻!
布地が少ないシースルーの下着が、俺の鼻先に擦りつけられる。
「ほらっ、ほらぁ! クククッ、なんて無様なんでしょう! 魔王ジュノ!」
俺の下半身サイドを向いたまま、グルヴェイグが腰を振った。
彼女の大切な花園が、俺の顔面を擦る。
獣がナワバリにマーキングでもするかのように、擦って擦って擦り続ける。
「ふぅっ、ふぅっ……どうです魔王? 私の下僕になりますか!?」
「もごもがごっ。むるへいむのふぁなるのかほり、なふぁなふぁふぁんびな……」
「んっ、あぁっ……な、何を言っているのかわかりません! ほ、ほら、おしおきです! んんぅっ……そ、それっ、それぇ……!」
グルヴェイグの下着が、だんだん湿り気を帯びてきた。
こやつめ。俺を調教すると言いながら、ちゃっかり快感を得ているのだ。
だが、これは俺にとっても好都合。やや重たいのが難点だが、グルヴェイグの花園に湧き水が染み出ていく過程を特等席で体感できたのだ。
匂いもどんどん強くなっていく。
甘酸っぱい雌の香りが俺の鼻腔をいっぱいに満たし、下半身が赤熱していくのを感じた。
「ハッ――尻に敷かれて勃ってしまうとは、この変態! 絶倫ハーレム魔王! 早撃ちジュノの仲間たちよ、このていたらくをどう見ます!?」
ここからでは見えないが、グルヴェイグは魔法陣に向けてアピールしているようだ。
そのうち肉筒スライムを上下させ、俺の体液を搾りにかかってきた。
「ほらっ、ほら! また出してしまいなさい! んんっ……こ、こら、私の聖穴をナメる必要はありません! んんぅっ……や、やめなさいぃぃ!」
俺は舌を突き出し、背徳の蕾を愛撫したのだが……この体勢では効果が今ひとつだ。
ぐぼっ、ぐぢゅるっ……ぶぽっ、ぬぽっ!
――肉襞スライムの猛攻が再開された! グルヴェイグが俺の身体にのしかかり、両手でスライムを激しく上下させているのだ。
腹部にたぷたぷと擦りつけられる、グルヴェイグの美事な乳※……。
そのまろやかな刺激も相まって、俺は……俺は――!
ぶびゅるるるるっ! びゅるっ! どびゅるるるるる……!
ぶびゅううぅぅぅぅっ!! どびゅびゅっ! びゅびゅるるる!
どぷっ……! どびゅぶっ! びゅぐるるるるるっ!!
ほとんど間を置かず、三度続けて強制発射を余儀なくされた。
そこでようやく、汗だくになったグルヴェイグがヨロヨロと立ち上がる。
「はぁ、はぁ……! ど、どうです!? 私の実力を思い知りましたか!」
俺を見下ろしながら、言葉を投げつけてきた。
セットされていた黒髪は乱れ、呼吸は熱っぽく弾んでいる。
頬や顎に付着するのは、白濁の飛沫。
足の付け根からは、ポタポタと雌の雫がこぼれていた。
その姿に、俺は苦笑する。
「キ、キサマも痴態を晒しているが、それで天使兵どもの求心力を保てるのか?」
魔法陣の向こうでは、スピカたちと一緒になって、グルヴェイグの天使兵どもも大いに赤面している。
だが、彼女は俺を笑い飛ばした。
「何ら問題ありません。この三〇〇年をかけて、私は世にも都合のいい記憶操作魔法を習得したのですから!」
グルヴェイグは髪を整えながら続ける。
「この記憶操作魔法を使って、私が痴態を晒した記憶を、天使兵たちの脳内から一斉消去するんです。そうすれば、『魔王を屈服させた』という実績だけを、彼女らに植え付けることができるんですよ!」
私のカリスマ性は右肩上がりです!
と、異端審問の女神は肩を揺らした。
「グルヴェイグよ……」
わずかな沈黙を経て、俺は問う。
「キサマは俺を下僕にした後、俺とこの国をどうするつもりだ?」
「まず、お前は私の右腕として強制労働の刑に処します。もちろん給金も休憩も休暇もありません! そして、すべての民が私の教義に心酔し、私を拝み、私にひれ伏し、永遠に私の奴隷となる――完全なる管理国家を実現させるんですよ!」
「………………」
俺はさらなる沈黙を挟み、
「――――つまらぬ」
両腕に力を込めて、拘束魔法を破壊した。
「はぁっ!?」
愕然とするグルヴェイグ。
俺はそのまま立ち上がり、パンパンと服を叩いてホコリを落とした。もちろん下着とズボンを穿くのも忘れない。
「ど、どうして私の拘束魔法を!?」
俺は小さくため息をつき、
「キサマごときの拘束魔法で、俺を捕らえられるわけがなかろう」
そんな、当たり前の答えを叩きつけた。
「“やられる側”になるのは新鮮だったからな、しばらくキサマの性戯に付き合いつつ、キサマの器を測っていたのだ。愉しかったか? 支配者に値せぬ愚かな女神よ」
「バ、バカな……」
グルヴェイグがその場に崩れ落ちた。
「さっさと終わらせてやる。覚悟しろ、グルヴェイグ!」
彼女を見下ろし、俺は両腕に魔力をたぎらせる。
魔導調律――発動の時だ!
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