第9話

一週間前井上先輩から

先輩が亡くなったこと

俺が倒れたときに美月がいなかった理由

すべてを知らされた俺

肺炎になってから3週間が経過した

肺炎も順調に回復し

来週には練習に戻れるという

今日もなにもする気になれず

病室で寝ていた。

だが『一哉…』

その声で目が覚めた

目を明けるとそこには

俺『美月…』

倒れてから…3週間1度も会っていなかった

美月が一人で病室に来ていた

美月『…』

俺『ひさしぶりだな…』

美月『うん…』

俺『色々聞いたよ…ありがと』

美月『!!…なんでお礼なんか…』

俺『北野先輩のことは…悔しいけど…

俺は先輩の分までがんばるよ…』

美月『…』

俺『色々気遣ってくれて…本当にありがとう』

美月『違う…』

俺『違うって何が?』

美月『先輩は私のせいで…』

俺『美月のせい…?だって…

トレーニングのミスなんだろ…?』

美月『違う…』

俺『どういうこと?』

美月『…』

美月は答えずき泣きながら

病室を出ていってしまった

俺『…違うって…事故じゃないのか…?

どういうことなんだ…』

俺はわからず…ただ…

美月が走っていった方を呆然と見つめていた




美月目線


(違う…事故…事故なんかじゃない…

先輩は…私のせいで…)

先輩との最後の会話が頭に浮かんでくる


私『もしもし!先輩!?』

北野『美月?どうした?』

私『大変なんです…私のせいで

一哉が….』

北野『どういうことだ?なにがあった!?』

私『体調悪い一哉のために

降参させて終わらせようとしたら…

気絶しちゃって目を覚まさないんです…

どうしたらいいんですか…』

北野『ちょっと待ってて

今から学校に向かうから!』


それが最後の会話だった


皆が病院についていった後

私は学校で一人で待っていた

だけど…30分来れるはずの先輩が

中々来ない…何度電話しても

繋がらない…

最後の会話から2時間がたった頃

私のスマホに瑠夏から連絡があった

瑠夏『美月?一哉…今目を覚ましたよ…

大丈夫。元々肺炎状態だったのに

練習に無理して参加してたみただから…

無理した自業自得だったみたいだよ』

私『(そっか…そんな無理をしてたの…)

ありがと連絡くれて。』

瑠夏『先輩は来た?』

私『まだ…もう2時間たつのに…』

瑠夏『そっか…今から私も学校に戻るね

それまでに先輩が来たら病院に向かうように頼んで?美月はそこで待ってて』

私『わかったよ』

だが…もう一度先輩に電話をしたとき

すべてを知った

北野母『もしもし…どちら様…?』

私『水野美月といいます

江西中柔道部の…』

北野母『あぁ…』

私『あの…先輩は…』

北野母『章吾は…』

私『先輩になんかあったんですか?』

北野母『さっき…学校行ってくるって家を出たんだけど…病院から電話があって…

交通事故に巻き込まれて…死んだ…の…』

先輩のお母さんはそこまでいって

泣き出してしまった

私『え…?死…ん…だ…?』

私は電話をきって

先輩の病院へと向かって走っていた…



…10話につづく

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