4 yuridres dusonvas cod yu:ju ko:radzo.dugb era dog.(魔術師はこの言い方を嫌う。dugbだから)

 yuridres dusonvas cod yu:ju ko:radzo.dugb era dog.(魔術師はこの言い方を嫌う。dugbだから)


 dugbは下品、下層階級、下々、そんな意味だったはずだ。


 gow yujute dugce yurfazo.(だがお前は下品な言葉を言った)


 ラクレィスが笑った。


 erv dugce yuridres.(俺は下品な魔術師なんだ)


 どんな言語にも丁寧な言葉、あるいは俗っぽい表現が存在する。

 いまの動詞を副詞にしたものは、俗な表現とみなされているらしい。


 yuridgurf soltalm na: mxaz foy colnxe.


 というさきほどの文は「魔獣はここに近づきにくくなるだろう」と訳せる。

 続いて闇魔術師は一枚の黄色い地面に落ちた葉を指差した。


 cod ers sa+ton pa:fa.(これはsa+ton葉だ)


 sa+tonというのも初めて聞く。

 語尾が-nなので形容詞だろう。

 元の動詞はsatorあたりか。

 落ちる、という意味だ。


 satos pa:fa?(落ちる葉?)


 すると、ラクレィスは首を横に振った。


 satogo pa:fa era.(落ちた葉だ)


 形容詞なのに、まるで動詞のような使われ方をしている。

 分詞、というものを思い出した。

 印欧語族によくあるもので、動詞を形容詞のように使う。

 たとえばゆで卵は英語でboiled eggと呼ばれるが、このboiledは動詞「ではない」。

 形容詞なのである。

 こうした動詞から派生したものを形容詞などに転用するのが、分詞だ。

 この場合、過去分詞ということになる。

 英語の過去分詞は受け身、受動的であり正確にはboiledは「茹でられた」となるのだがセルナーダ語の場合、能動的な気もする。


 omoto sup.gow kap era dugce yurfa.(お前は覚えるべきだ。だが、これも下品な言葉だ)

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