50-8 学園祭!
「ああ、うん……はあ……あ、お、兄ちゃん……う、あん」
「…………」
「ああ、あ、うん……はあ、お、お兄ちゃん、あああ」
「ああああああああああああ!」
俺はベットから飛び起きる、俺の隣には栞が寝ている、寝ているから!
「ううう、5時……」
金曜日の夜、妹の新婚生活攻撃に一緒に寝るという事だけは承諾した……そしてこの2日間、毎朝この妹の寝言で起こされる……
「ううう、勘弁してくれえええ」
俺だって健康な男子だ、知っての通りそういう本も持っている。
そして妹は可愛い、今も隣ですやすやと寝ている…………下着姿で……
分かるよね、男なら……一人の時間が欲しいって……
親が居ない今、妹とは常に一緒に居る、四六時中だ……そして一緒に寝るのを承諾してしまった以上一人になれるのは、風呂とトイレだけ…………
そしてこれである、本当勘弁してください……
これが半年続くって何この修行……父ちゃん母ちゃん早く帰ってきてくれええええ
もう耐えられません……
###
はい、月曜日なので学校に行き、一気に放課後に飛び、今ここは生徒会室……
「土日で何か考えて来てくれたかしら?」
会長がそう言うが、俺は妹の攻撃でそれどころじゃなかった。
そしてこの質問をする前に言うことがあるんじゃないかな~~?
「えへへへへへへ……お兄様~~」
セシリーが俺にベッタリくっつき、俺を見てはヨダレを垂らすかの如く美味しそうに見つめている……
「ど、どうしたんだ?」
うちのクラスじゃない美智瑠がセシリーの変化に驚く……
「うん、朝からぁ、こんな調子ぃ、なんだろうねぇ?」
朝来るなり俺の席の前でずっとこんな調子、休み時間もずっと……はあ……
妹は妹で、俺を見ては朝の余韻浸っている
「えへへへへお兄ちゃ~~ん……はぁ」
「あのお……そろそろ決めないと場所とか準備が、委員会も立ち上がるし、優先的に貰える代わりに一番最初に決めないといけないんだけど……」
先生が俺を見て少し呆れ顔で言う。
「いや、まあそうなんだろうけど……」
そんな事言われても俺がやってくれと頼んでる訳じゃないから。
「き、き、君はまたか! 今度はセシリーにお兄様と呼ばせて! やっぱりか! じゃあ僕も呼べば良いのか!」
「いやいやいやいや」
「もうぅパパっとぉゆうが決めちゃってよぉ」
麻紗美もイライラした様子で俺に言う、ううう俺の癒しの麻紗美が……
「何で俺が!」
「だってえぇ、クラスで言われ始めてるよぉ、生徒会ってぇゆうを除いてぇ全員女の子だしぃあそこってぇゆうのハーレムなんじゃないかってぇ」
「はああああああああああ? マジか、誰が言ってるんだ!」
「まあぁ私なんだけどぉ」
「あーーーーさーーーーみーーーーー!」
「まあぁ実際そうだしぃ」
「違うううう、俺はそんなの物認めないいいいい!」
誰が何と言っても、認めない!! そんな物は存在しなーーい!
「えーーだってぇ、ここにいる人ぉ皆ゆうの事好きだしぃ」
麻紗美爆弾発言を言い出す、み、皆だと!
「なななななな、何を言ってるんだ!」
「えーーー、だってぇ、私とぉ美智瑠ちゃんとぉ栞ちゃんはぁ、目の前で告白してるでしょ?」
「いや、まあそうだけど……」
「あとぉ今のセシリーーを見たらぁ一目瞭然でしょぉ?」
「お兄様、一舐め、是非に一舐め」
飴でも舐めてろ……
「後はぁ会長さんもぉ子供になってたときにずっと言ってたよね」
「ひう! えっと……あれは……えっと…………ちょっと記憶にないな~~~」
「後は先生もぉ」
「わ、私も?! そそそそそんな、そんな分けないじゃない、私は教師よ、そそそそそんな生徒に、生徒の事を好きになる分けないでしょ!」
「ね? 見た通りでしょぉ」
「いやいやいやいや、二人は否定してるじゃないか」
なぜ先生はそんなに慌てる……
「まあ、つまりここはぁ、生徒会という名を借りたぁ長谷川ハーレムって事だからぁ」
「いやいやいやいや」
「だから~~もうぅゆうがぁ決めちゃってよぉ」
「いやいやいやいや、それを決めたら認める事になっちゃうだろ、違う、断じてそんな物はない! 美智瑠もなんか言ってやれ!」
こういうとき美智瑠は純情だから違うって否定してくれるはず。
俺は期待を込めて美智瑠を見る。
「お兄ちゃん、お兄ちゃま、お兄様、にいに、は今のところ埋まってる、兄ちゃんは今他で言ってる、後は兄さん、兄さま、にい、おにい、にいにい、うーーーどれが良いんだ?」
何かぶつぶつ言ってると思ったら……美智瑠は俺を何て呼ぶかで、さっきからずっと考えているみたいって……おい!
「せ、先生!」
「そそそそそ、そんな、そんな分けない、絶対に違う、違うったら違う…………」
ああ、先生も麻紗美に言われても何かぶつぶつと、後は俺の味方はもう会長だけ……
「か、かいちょ?」
俺が助けを求めようと会長を見ると、会長はいきなり立ち上がり俺の後ろにまわるって……え?
「にいにいいいいいいい」
「まーーーたーーーーかーーーーーー!」
俺の首に会長が抱きつく、やーーーめーーーーてーーーーー
会長を振りほどこうにも右腕はセシリーががっちりホールド中、左腕は妹ががっちりホールド中……動けないいいいい!
その時ノックの音が、ヤバいこんな所を見られては益々ハーレム疑惑が……
「どうぞぉ~~」
「おいこら麻紗美!」
俺の気も知らずに麻紗美がノックをした者の入室を許可する……っておい!
「し、し、し……失礼します」
入って来たのは、もの凄く気の弱そうな、チワワみたいな雰囲気の女の子、髪は黒髪オカッパ頭、前髪は長く目があまり見えない、小柄で童顔……ただ一つ大きいものが…………そのお胸に備わっているメロンの様な物、麻紗美より大きい……身体に全く合っていない。
その巨乳の女の子はうつむきながら、精一杯の大きな声で言った。
「あの、あの、……ここは長谷川裕……くんの…………は、ハーレムの会でよろしいでしょうかああああああ!」
勇気を振り絞る様に言うと、その子は前を向く……
「ああああああ、腕、腕に、ああ首にも、ああああ、他も全員……や、や、やっぱり」
ああ、終わった……こんな所を見られたら……、もうダメだあああ、学校中に知れ渡る……
そう思った瞬間その子はとんでもない事を言い出す。
「あ、あのあの、わ、わたひ、1年の、はせがわ 雫です……ここに、長谷川ハーレムがあるって聞いて……えっとえっと……私も、は、長谷川ハーレムに入れてください!」
「おい!!」
俺が大声を出して突っ込む、ん? ちょっと待て、はせがわ 雫ってどこかで聞いた事……
「あ、あ、アンちゃん!!」
俺の顔を見てその子が叫ぶ、アンちゃんって……確か…………!
「ああああああああああああ、しーちゃん!」
俺が幼稚園の時に、バレンタインチョコをくれた子……母親と妹以外で唯一くれたのは、この雫ちゃんだけ……うるせえよ!
こ、この学校に居たのか、そしてなぜ今頃?、
全員が呆然とその子を見る……あ、会長は子供化してるから構わずに俺のほっぺに自分のほっぺをくっ付けてスリスリしてるけど……
「あああああ、そうかああああ、アンちゃんが有ったかああああ!」
そして美智瑠が全く空気を読まないタイミングで叫ぶ、まだ考えていたのね……
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