経済学と宇宙戦艦ヤマトの濃厚ミックスジュース!

経済学を「宇宙戦艦ヤマト」のストーリーに当てはめて語る。
トンデモ本じゃないです。歴史に裏打ちされた真面目な読み物なのです。

ただーし。なんか難しそうだなぁと尻ごみしたそこの貴方。
経済学どころか暗算もロクに出来ない私ではこの面白さを説明するのは難しいので、ちまっと引用させて頂きます。私がツボった部分ですけど(^^;


引用文

人類は別の宇宙文明帝国との交戦状態に入った。
敵の星間帝国は圧倒的であり、技術力の差から人類は土断場まで追い詰められてしまった。
ほぼ全ての戦闘で敗北し、太陽系の制空権はおろか地球本星に隕石ボコボコ落とされるようにまでになると、人々は地下に作った都市に逃れ、なおも絶望的な抵抗を試みた。

本土爆撃に晒され、ひっそりと大きな防空壕の中で息を潜めつつ、勝ち目の無い戦闘を続けるしかない人類。だれもが、
「もうオワリかな・・・( ˘ω˘;)?」
という悲嘆にくれた絶望の中、突然、女神が現れる。

見た目は超美人。実年齢は17歳+αとちょい高め。
歳をとると、人は誰でも他人に優しくなれるもの。美貌と知性だけでなく、大変親切で優しい彼女は、ミジメな人類の有り様に憐憫の情でも感じたのかもしれない。

「フルボッコになった地球を、昔のような青く奇麗な星に戻せる装置を持っているので差し上げます。取りに来てくださいな」・・・と救済の手を差し伸べてくれた。
大変、ありがたい申し出だった。

勿論、「それ、本当なの?」と、我が耳を疑う者も多かったことだろう。
タチの悪い冗談orドッキリ、もしくは「地球を助ける機械があるので指定の銀行口座に所定の金額を振り込んでください」みたいな「オレオレかあちゃん女神だけど」みたいな詐欺の可能性もあったが、よくよく調べてみると、どうも違うようだった。

なにしろ命がけで実の妹を、こんな辺鄙な地球くんだりまで送ってよこしてくれたのだ。彼女は本気だった。本当に感謝すべきことだった。

だから彼女が“地球元通りマシン”の設計図ではなく、なぜか次元波動エンジンの組み立て図の方を送ってくれるという、何か少し違うような気がする解決策を提示したとしても文句を言える立場ではなかった。
向こうは善意ボランティアでやってくれている。感謝すべきことだった。しかも基本的にはタダなのだから。

結局、他に有力な選択肢のなかった人類は、彼女の提案に乗っかることにした。およそ17万光年離れた場所に、取りに行くことにしたのだ。戦艦ヤマトの宅急便で、だ・・・。

引用終わり


はい。タダより高いものはないわけですけど(笑

世界史に裏打ちされた経済学を学びつつ、「宇宙戦艦ヤマト」という偉大で(突っ込みどころ満載な・笑)名作の、本当にあったかもしれない裏話や、その後の話も分かる。こんなお得な作品は、そうそうないと思う。
名作だからこそ愛情のある突っ込みをしたくなるのは、二次創作が流行ることからも裏付けされてるものなあ。

ところで。書き手さんは世界観の構築をする時、どんな取材をするだろうか。資料集め。ネット上や書籍で調べて、自分の中に落とし込むことからはじめる……かな。現地取材なんて人もいるかな。異世界は無理だけど。

SFだろうと異世界だろうと、その中には「経済」がある。
政治と経済。その描写が全くないと
「むーん。このデザート、味がいまいち薄いなあ~もっとこう、まったり~とコクがあってほしいのにい」
なんて、我が儘な読者は思ったりするわけです。←主に私が(笑

作者様公認。この話を参考資料にしていいそうです。ガッツリと歴史に裏打ちされた経済学が、こんなお手軽に学べちゃっていいのかって感じではありますけど。

時折さしこまれる強烈なボケで、一見難しそうな話をニヤニヤさせながら読ませる手腕! クセになります。

経済学と「宇宙戦艦ヤマト」のミックスジュース。これ、お勧めです!

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