~デュー~・おまけスキット

~記憶が戻って~


オグマ「デュー……デュランダル?」

デュー「今まで通りデューでいいって。長いからデュランとも呼ばれてたし、愛称が増えたみたいなもんだろ」

オグマ「ふむ、手懸かりが見付からない訳だ……子供の姿に変えられていたなら自分を知る者にも会わない」

ミレニア「それで兄様はデューに兄がいないか聞いとったんじゃな」

デュー「……」

ミレニア「どうしたんじゃデュー、わしの顔になんか付いとるか?」

デュー「いや、別に」

ミレニア「しかし兄様もびっくりするじゃろうのう」

デュー「めんどくさいからしばらく黙ってようか」

オグマ「それは彼が可哀想だろう、心配していたんだし」

デュー「だって信じられないだろ、こんなこと」

ミレニア「うーむ……」

デュー「ま、どのみち当分は会わねーだろ」

ミレニア「適当じゃのー」



~しょうねん?~


リュナン「…………」

デュー「なんだよ、珍しく難しい顔して」

リュナン「どういう意味ですかそれ! ……その、少年の歳っていくつなのかなーって」

デュー「二十三だ」

ミレニア「兄様と同じじゃ」

リュナン「げげ、年上!?」

デュー「さて、そんなオレが今まで少年呼ばわりされてきた訳だが」

リュナン「だって少年は少年だと思ったしぃー」

フィノ「呼び方変えるんですか?」

リュナン「うーん、そう言われても……先輩とか?」

デュー「おう後輩、カレーパン買ってこい」

リュナン「はいっただいまー!」

デュー「冗談だったのにほんとに行くとは……」

ミレニア「パシリ生活が染み着いとるのう」



~見た目は子供、中身は……~


イシェルナ「ところどころ大人びてるとは思ったけど、しっかり大人だったのね」

デュー「そういうことだ」

リュナン「時々俺以上に健全な男子ですもんねえ」

デュー「ま、年相応にはな」

フィノ「リュナンさん以上に大人の余裕出てますもんね……」

デュー「比べる相手が悪い」

リュナン「うぐっ」

イシェルナ「けどそういうことなら子供の特権、活かすしかないんじゃない?」

リュナン「こ、子供の特権?」

イシェルナ「いたいけな少年のふりしてお姉さん達に甘えちゃったりぃー」

リュナン「なんだそれずるい!」

デュー「考えなくもなかったがそこまでプライド捨てきれなくてな」

フィノ「考えなくもなかったんですか……」

デュー「まぁ、それなりに不自由はしたしうっかり美味しい事故があっても大目に見てくれるくらいならあってもいいだろ」

イシェルナ「あら、それってあたしと初めて会った時のあれかしらん?」

デュー「そういうあれだ」

リュナン「ぐっ……やっぱうらやましい……」


~責任とって!~


デュー「シュクルはともかく、カッセが自分からああやって言うのは珍しいな」

カッセ「ああやって、とは?」

デュー「自分の意見……ていうか、自分の気持ち、だよ」

カッセ「そ、それはその……」

シュクル「あそこで黙っていられるほど、他人でもなかろう」

デュー「そうだったな。すまなかった」

シュクル「謝るのはもうよいと……」

デュー「そっちじゃねえよ。そもそも仲間だと言ったのは、オレの方だったからな。あんな突き放した言い方して、悪かった」

カッセ「デュー殿……」

デュー「……どっかで甘えてたんだな、オレ。あそこで責められたら、何か楽になるのかもしれないって」

シュクル「楽に、か……」

デュー「らしくなかったな」

カッセ「そうだ。いつものデュー殿ならふてぶてしく開き直るところでござろう?」

デュー「ふてぶてし……」

カッセ「責任はきちんと取って貰おう」

シュクル「一度仲間に引き入れたからには、だな」

デュー「言うじゃねーか」



~一蓮托生~


デュー「一蓮托生、か」

イシェルナ「今更遅いけどね」

ミレニア「たとえばわしとデューの立場が逆でも、変わらなかったじゃろ? ま、そしたら今度はわしが悩んでたんじゃがな」

デュー「……そうだな」

フィノ「水臭いこと言いっこ無しですよ」

リュナン「それも言いそうですもんね」

オグマ「ふふ」

リュナン「あ、旦那わらった」

デュー「なにが可笑しいんだよ」

オグマ「あっ、いや、すまない」

シュクル「オグマをいじめるな」

リュナン「それも少年のセリフっぽいし」

デュー「おまえら……」

カッセ「うじうじ悩む暇もくれないな」

デュー「……まったくだ。騒がしい奴らめ」

オグマ「その割には嬉しそうだな」

デュー「うるせえよ」


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