「最強の敵、レッドオーガ」編

序章「レポート:旧軍について」

 え? 連合軍が創設される以前の、旧軍の動向に関する資料が欲しい? これはまた……妙なものを欲しがりますなぁ。ま、他ならぬ貴方の頼みですから、色々と集めてみましょう。

 おお、そうだ。私の部下が勤勉なもので、分かりやすく纏めたレポート……のようなものがあります。先行してそのコピーを送ります。




【中東諸国軍】

 突然の襲撃と未知数の兵器群に対処できず、早々に敗走。



【イスラエル国防軍】

 小規模ながら錬度が極めて高いことで有名なイスラエル国防軍であったが、未知数の兵器に対して充分な対応ができず、アフリカ大陸への後退を余儀なくされた。

 一部将兵の間では、エースアトラス『ブルーイーター』が猛威を振るったとのこと。



【インド軍・パキスタン軍】

 北方にそびえ立つヒマラヤ山脈によって、敵の進入路を限定的にすることができたため、戦力を集中して一時的に防衛線を維持することに成功した。

 以降、今は敗走した南アジア方面軍の中核を担う。



【トルコ軍】

 高い水準の軍事力を有しており、比較的早く強固な防衛線を構築することに成功するものの、未知数の兵器に対応が間に合わず、バルカン半島への後退を余儀なくされる。

 エースアトラス『ブラックフェアリー』の被害を、最も受けたことでも有名。



【ヨーロッパ諸国軍】

 各々の軍事力が高かったことと、ヨーロッパ連合として連携が容易だったことが相まって、早い段階で強固な防衛線を形成。一時はベルリン陥落まで追い込まれたものの、敗走したロシア連邦軍との合流で踏みとどまり、連合軍創設までヨーロッパ戦線を維持する。

 その後はヨーロッパ方面軍の主力を担っている。



【エジプト軍】

 アフリカ大陸随一の戦力を保持するエジプト軍は、シナイ半島に戦力(周辺国の援軍含む)を集中させて迎撃に打って出た。そして、自軍に多大な損害を出したものの、辛くもアフリカへの敵の侵攻を食い止めることに成功。

 しかし、連合軍創設後に行われた『アフリカ作戦』では、戦力を大幅に強化したにも関わらず、敵の猛攻に耐えきることができなかった。これには、あるの存在がある。



【中華人民解放軍】

 ヨーロッパ諸国軍同様に、豊富な戦力にものを言わせて強固な防衛線をいくつも形成。見事第一波攻撃の迎撃に成功し、唯一独力で敵性勢力を退けた軍隊となった。

 しかし、防衛線の切り崩しを狙ってか、七隻しか存在が確認されていないギガース級陸上戦艦のうち、三隻が集中投入され、各所で防衛線が突破されるという事態が発生。東アジアが壊滅した。

 以降、連合軍に組み込まれたものの、いまだ多数の将兵が領内に取り残されている。



【大韓民国国軍】

 中華人民解放軍が壊滅した直後、軍や政府の主要幹部が謎の失踪を遂げる。よって指揮系統が正常に働かず、ほぼ一方的に蹂躙された。

 それでも、一部の勇敢な将兵がゲリラ戦を慣行し、日本にアメリカ軍が集結するまでの時間を僅かながら稼いだ。



【日本国自衛隊】

 世界でも有数の戦力と錬度を誇るため、その動向が注目されたが、東南アジアを中心に自衛隊を派遣し、早い段階で敵の侵攻を食い止めたい政府与党に対し、「日本を戦争に巻き込む気か」と野党や一部の市民が猛反発。対応が大きく遅れることとなった。

 最終的に、日本海でアメリカ軍と共に敵を迎え討つこととなったが、防衛に特化した自衛隊の攻撃力の無さが災いし、苦戦を強いられる結果となった。

 その後、連合軍創設後に行われた東アジア戦線構築作戦において、中心的な立ち回りを見せた。



【ロシア連邦軍】

 大多数のカスピ海沿岸国が、突然の襲撃でまともな反撃ができない中、いち早く迎撃態勢を整え、壊滅した地域を飲み込まんとする勢いで南進した。

 しかし、敵兵器の性能を見誤った陸軍が大打撃を受けて早々に敗走。空軍・海軍では防衛線を維持できず、最強のエースアトラス『レッドオーガ』の存在もあって、瞬く間にモスクワまで敵が迫った。一部将兵が立て籠もって抗戦したが、その後全軍の撤退が決定された。



【アメリカ合衆国軍】

 始めに各地に展開していた海兵隊が、現地の軍事組織と協力して迎撃を試みたものの、全く歯が立たずに壊滅状態に追い込まれた。

 第七艦隊や在日米軍も、自衛隊と協力して日本の防衛に当たったが、未知数の兵器に実力を充分に発揮できず、一時的に九州や台湾を奪われるという失態を犯した。

 その後、五軍中四軍(陸軍・海軍・空軍・沿岸警備隊)及び州軍の被害は軽微であったため、国際統一連合軍の実質的主力として、各戦線に投入されることとなる。

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