「集いし兵士達」編

序章「二つの陣営」

 某所。


「やあ、久しぶりだね。半年前に会った時は、参謀総長としてカスピアンフォートレスのオフィスでふんぞり返っていたのに、今は東アジア攻略の司令官かい? 随分と謙虚な職に落ち着いたねぇ」


「…………」


「ウランバートル基地の空調はどう? 本拠地と比べるのはアレだけどさ」


「…………」


「そんな怖い顔しないでよ。……あんな常識外れの急襲に対処できるわけがないし、万が一に備えてブルーイーターの部隊を呼び戻していたにもかかわらず、彼らもやられちゃったわけだしさ」


「……奴らがギガース級やアトラスを鹵獲しただけなら、どうにでもなったんだ! だが時期が最悪だった。東アジアでの連合軍の攻勢を許し、指揮系統統括装置の守備戦力まで割くことになってしまった」


「まぁ、仕方ないね。ヨーロッパ戦線も膠着状態で、戦力は惜しかったわけだし」


「しかし、指揮系統統括装置無しで連合軍と戦うのは、あまりにも……」


「あのガラクタのことを信用し過ぎなんだって。たしかに進撃速度は目に見えて落ちたけどさ、まだ僕達の方が圧倒的に優位だ。その間に戦略を確立する」


「だが、連合軍がこの機を逃すわけがない。必ず攻勢を仕掛けてくる」


「そうだね。東アジアからなのかヨーロッパからなのか、はたまた両方からか。いずれにしても、君の手腕が試されるね。元参謀総長さん」


「…………」


「だから怖い顔しないで欲しいなぁ」


「……左遷したのはあんただろうが、


「ハハッ、下に示しがつかないから許してよ。すべては復讐のために、ね」



 全世界を巻き込んだ激動の時代。戦いはまだ、終わっていないのだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます