ただいま砂浜
ブロロロロ…
目的地である海岸の砂浜を目指しバイクは変わらない鳴き声を荒げて進み続ける。
老いた緑が茂る森に差し込む日光が心地良いが、時折ヘルメットを完全に無視して眼球に刺さる木漏れ日は正直死ねる。
「風が気持ちいいね~バイクの魅力はやっぱりここだよ~」
実際問題乗れる年齢じゃないから良くわからんが、今乗っていて分かった。凄いねこれ。
『あと少しで海岸ですね、思い出の場所ですね、お互いに…』
「お互いに…か…」
_________________
「やっと着いた…」
この土を再び踏みたい…
何度そう思ったか…
ただいまキョウシュウ。
ただいま砂浜。
遠くに白い砂が見える!
やった…着いた!
「…物思いにふけるなんて珍しいですね?」
「ははは…そうかな?」
「それにしても懐かしい…古びてるけど…壊れているけど…でも…変わって無い…あぁぁぁぁ!フレンズさん達の世代交代!独自文化!研究ほっぽらかして観光したい~ッ!」
…それはどうかと思う…
そう意見を述べる者が居ない辺り、この派遣チームも終わっているんじゃ無いだろうか…
まぁかく言う私も一通り探索したいけど。
_____
ザァーッ…
波の音っていうもんは良いもんだねぇ…
空とは違う藍。
混じり溶ける白波。
見ているだけで精神が安定していく…
気がする!
「おっきたきた~!お偉いさん揃いのでっかいお船だね~!」
霞む海の向こうには、大きい鉄塊が浮かんでいる。人の叡智の塊でもある船って奴だ。
しばらくして船が海岸の船着場に上手く泊まった。
ゴクリッ…
思わず唾を飲んでしまった…
もう3年…だったか?
とにかく会ってなさ過ぎる…
がちゃん!と扉があいた!
来るッ!←謎の臨戦態勢
中から出てきたのは…
黒く、少し緑の混じったような髪の毛、昔から変わらない謎の飾り、相変わらずファッションセンスの微塵も感じられない青いシャツとジーパンon白衣。
「ちょっとは大きくなったんじゃない?」
「何も変わって無い姉さんに言われたく無いね…」
俺の姉さん、カコだ。
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