第308話

 その時、四方八方から妖艶な女

性の笑い声が響いた。


《フッフフフ………》

「う、」

 オレは辺りを見回した。


 洞窟は、迷路のように枝分かれ

していて、笑い声が反響してどれ

が本物か聞き分けが出来ない。


 さらに、甘く痺れるような

匂いが辺りに漂ってきた。


《フフ……、お前が勇者か?》

 脳に直接、語りかけてくるようだ

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