No.60 「化け物ボーグ」
グレイの頭で様々な思いが混み上がる中、学校内にいる人たちが急にざわつきだす。
ガイア「そういや今日だったっけな…!ボーグが来る日…!」ハム「あのバケモノども…今度こそ絶滅させてやる…!」
グレイ「え…!?」
グレイは驚いた。旧世界のリセットエリアで守護者だった《ボーグ》のことを知っているガイアたちに驚いたのだ。
グレイ(何で知ってるんだ…?ボーグのことを…。それにボーグが『バケモノ』だって…!?なぜそんな風に呼ばれているんだ…?)
辺りがかなり騒がしくなる。
ハム「おい見ろ…!空が真っ赤だ…!」ガイア「ボーグが来るんだ…!」
紅い陽が空の色を赤く染めていく。次第に空が赤く不気味な緋色に輝き、光り出す。
グレイは不思議な気持ちでいた。何故、皆ボーグに怯えているのか。それがわからず不思議でいた。
グレイがそう思っていると人々がグレイの後ろの方へ走っていく。まるで本当に化け物をみた様に人々は逃げ惑っていた…。
人々「逃げろー!ボーグが来るぞー!」
《ワーッ!》《キャーッ!》
悲鳴もグレイの耳に届いていたものの何が何だかグレイはさっぱりわからずにいた。不思議とグレイは窓の外を見た。
そこでグレイが目にしたのはボーグが人間を捕らえ、その捕らわれた人たちが空に運ばれていく様だった。
グレイは驚いた。恐怖すら感じていた。巨大なひとつ目の生命体が三本の爪のような大きな二つの手を器用に使いながらその手で人間を鷲掴みにして捕らえていたのだ。
グレイ「何だ…これ…。」驚愕だった。あのボーグの姿が旧世界と変わっていないことも驚きだったが、何よりも何故あのボーグが人を襲っているのかが理解出来ずにいた。恐怖のあまりグレイは身体が動かなくなっていた。そこにボーグが身体を飛んで浮かせ、グレイに迫ってくる。
グレイ「…………!!」
グレイは言葉も出せなかった。恐ろしいのだ。ボーグがはじめて敵に思えたからだ。
グレイに近づいた1体のボーグはその赤いひとつ目を点滅させながら三本の爪を動かしグレイを見ていた。
『キュィン…キュィン…』機械のように鳴き、ボーグがグレイをガシッと三本の爪で鷲掴みする。
グレイ「わっ!ちょっと…!」ボーグ『キュィン…!キュィン…!』グレイ(こいつ…笑ってる…!?)
《ドォン!》するとその時、辺りに銃声が響く
ガイア「化け物!グレイを離せ!!」発砲したのはガイアだった。ガイアはボーグに銃口を向け、もう一度発砲する。
ドォン!(銃声)
二回の発砲によりボーグが倒れグレイがボーグから解放される。
ガイア「大丈夫か!?グレイ!」グレイ「あ、ああ…。」ガイア「逃げるぞ!走れるか?」グレイ「ああ…、何とか…」
銃声に倒れた仲間を連れボーグたちは去っていった。次第に悲鳴も収まり、空も青い輝きを取り戻してきた。
グレイ「ボーグ…。」
グレイは複雑すぎる心境だった。いったい今のは何だったのか…。何が何だかさっぱりわからないのだ。
そう思っていると友人のハムが声をかけてきた。
ハム「…おい…グレイ。これ…お前のだろ?」グレイ「…え?」
ハムが渡して来たのはとても分厚い本のようなものだった。
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