No.26 「人間が造った神様」

ワイト国とクリムゾン帝国の会談の最中リセットエリアでパンジャと行動を共にしているグレイはリセットエリアの最深部へ向かっていた…。


パンジャ「いたいた。」

グレイ「これが…ヒューマ・オール…!?」

グレイの目に写ったのはヒトの形にそっくりな大きな物体が倒れていた。

パンジャ「ねっ?これが昔、人間が造った神様さ。」グレイ「ねっ?って言われても…。でもなんでその人間が造った神様がここにいるんですか?」パンジャ「そもそもリセットエリアはかつて人間が暮らしていた場所だからね、そこらを見てみな」グレイ「…?あ…。」

グレイが周りを見渡すとそこには、無数の骨が散らばっていた。

パンジャ「死んでいった人間やヒトさ。ヒトは死ぬとリセットエリアに還るんだ。」グレイ「…!?リセットエリアに還る?ということはリセットエリアに来た人たちは自分の意志でここに来るんですか?」パンジャ「アハハ!違う違う!誰も死にたくてこんなところには来ないさ」グレイ「…!?じゃあ還るってどういう意味ですか?」パンジャ「リセットエリアの裏側に行くとね、そこには人間とヒトの楽園があるんだ。でも、そこに行ったら完全に死ぬってことだけど」グレイ「人間とヒトの楽園…!?」パンジャ「リセットエリアの裏側はいわゆるあの世。人間が見つけた運命の島さ。」グレイ「運命の…島…!?」パンジャ「言ったでしょ?昔、人間は自らの運命を知ってしまったって。自らの運命を知った人間はその運命に逆らい運命を変えようとしたんだ。だから、滅びたってのもあるだろうけど…」グレイ「ちょ、ちょっと待ってください…。」パンジャ「?」グレイ「ヒトと人間って…。違うんですか!?」パンジャ「違うっていうか…人間が0&Zから造り出したのがヒトなんだよ。でも、人間と同じでヒトは意志を持っているんだよ」グレイ「…。」パンジャ「要するに、あんたは旧世界の人間のコピーさ。クローンってとこかな。まあ、あんたは旧世界の人間とは違って簡単に運命を知ってしまったね。」グレイ「…。」パンジャ「あんたは0&Zから産み出された人間ってこと。」グレイ「…違う」パンジャ「は?」グレイ「僕は、僕の母から産まれました。今の時代の人間は例え旧世界のクローンだとしても、今を生きています。我々は過去にとらわれて生きていきたくありません。」パンジャ「…。」グレイ「私はここを出ていきたい。運命を知ってしまったなんて関係ない。今を生きる。望みはそれだけです。」パンジャ「…。あんたは強いね。自分の行く末がわかっているのに。それを知った人間は絶望するのにあんたはそれ以上の希望を求めてる。」グレイ「ここから出ていきます。例え自分の命が無くなろうとも」

そのとき、動かないはずのヒューマ・オールが目を開け、その目が光り始める。


パンジャ「!?」グレイ「えっ!?」二人「う、う、動いたぁ~!!!」

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