第133話 後半第三者side

 どんどん呼吸ができなくなっていく。同時にどんどん視界が黒く消えかけていった。

「ゃめ、て……………………っ。」

 ヒュウゥヒュウゥ・・・と、音が鳴るくらいにまで苦しくなる。それでも彼女は手を放すことはなかった。




 最後に見えたのは―――

 彼女の怯えた顔と、ふんわりと匂う爽やかなミントの香りだった。

 そして私の意識は、完全に遠のいていった。





     * * * * * 




 ―――数十分前。

 雪乃のスマホに、一本の電話がきた。確認すると、冬休み前に交換した、静からの電話だった。この先桃香になにかしら起こった時のために、すぐに連絡できるようにしたらしい。

『っもしもし。どうしたの?」

 雪乃はすぐに応答した。なにか嫌な予感が心のなかにか広がったからだ。

 そして―――その予感は、現実のものとなった。





 ―――部長がいつまで経ってもこないんですっ。白井さんのところにはいませんか!?

 電話の向こうで、静が焦りながらそう言ったのだ。

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