遥か険しき乙女への道。


 モヒカンのヒロインって、どう思いますか。世紀末幼稚園で働く、子供好きで、心優しい、若き保育士さんっていう設定なんですけれど。日々襲いかかるモンスターペアレントと、「いっけない! 汚物は消毒よ!」と、火炎放射器を携えて、戦うっていう。駄目ですね。木元です。


 何ですか、この挨拶もない幕開けはと言いますと、私が可愛いヒロインを書こうとしたら、こんな風になっちゃうっていう報告ですね。てかヒロインを書こうとしたら、目指す先が可愛い子だろうが何だろうが、どこか必ず、野蛮な香りを纏ってしまって。私の小説を、どれか一つでも読んで下さっている方なら伝わるかと思うのですが、手足が出るか、物を壊すか、誰かを脅すか、種類は違えど高確率でなんか、暴力的行為に及んでいるという。


 ジャンルが、バトルとかアクションものだからでは? とも思うんですけれど、でもいつかは他のジャンル書いてみたいし、その時に野蛮なヒロインばっかり書いていると、これ……。キャラ作りの際、きっと非常に困るなと。


 何かね、思ったんです。こうして、皆さんの作品に触れていると。この人の書くヒロインはいつも知的で、落ち着いた女性だなとか(※オレンジ11さんの書かれるヒロインとか)、少女漫画みたいな、まさに女の子って感じの、可愛いらしいヒロインと出会うたびにですね(※この前読んで強風に襲われた、『猫系男子のススメ』のヒロインとか)、何で皆さんそう、一切ネタを挟まずに、ヒロインのキャラ作り、出来るんだろうと。もう、尊敬と不思議が、入り交じった目で見てしまうのです。私、どうしてかヒロインに限ってネタを挟まないと、気が済まない衝動に駆られてしまって。主人公の方が、まともっていう。


 あと、これは、読ませて頂いている、ほぼ全ての作品の作者さんに思うんですけれど、よくギャグを挟まないで、話を転がせられるなって。


 私、間が持ちませんよ。どれだけシリアスな話を書いても、絶対にどこかで挟みます。うちの、『鬼討』のメインヒロイン、焼き芋食べたいからって、学校で放火しましたからね。『府道63』なんて、大学生の、女の子が主人公なんですけれど、物語の開始そうそう、猫耳姿で、オタク共の前に晒されて、押し戻しましたけれど、実質そのストレスで、吐いてますからね。『悪のメソッド』なんて、主人公を、七センチのヒールで踏んづけるわ、太股にスプーン突き刺すわ、ビンタかますわ、発砲しますからね。


 もう、やばいなって。


 それを真剣に書いてる私って、もっとやばいなって。


 読み返すたび自分のセンスに、戦くっていう。


 ドーナツ、おいしい。


 もし私が、ラブコメでも恋愛ものでも書いたら、ヒロインのせいで収拾つかなくなって、混沌とするんだろうなって思います。てか笑います。「お菓子好きにでもしとけば女子力上がるんじゃね?」という安易な発想の下に、一時間に一個マカロンを食べないと錯乱するヒロインとか、昼間に考えてたことありますもん。本人すごい真剣なんですけどね。我に返ってボツるっていう。何にも可愛くないしそれ、ただのマカロン中毒者だなって。糖分中毒者かもしれないなって。つまりものすごい太っているのかもしれないなと。恋したイケメンは、重度のマザコンでしたとか、ろくなもん思い付かないと思います。


 ……そうだ恋と言えば、多分誰かに言ったんだと思うんですけれど、高校生の頃……。「お前と付き合うんやったらヤギと結婚した方がましやわ」って、吐き捨てたような記憶があるんです。高校生ってバンド一筋な頃でしたから、んな恋とか何とかどうでもよくて、そんな暇は無いって意味って、言ったんだと思うんですが。そういうことは、引退したら、考えるかもねって。記憶違いでしょうかね? 曖昧なもんでよく分からず。でも小説のネタにはなるよなあと、ずっと温めています。いないじゃないですかこんなヒロイン。こんな事を言ったかもしれない作者が考えてるから、そんなヒロインばっかり生み出してんだろと、今一瞬覚りましたけどね。それ言っちゃオシマイです。


 そっか……。子供の頃に貰った、自分よりずっと大きなテディベア、オリジナル必殺技の練習台にして殴りまくってないで、もっと女の子らしい遊びしとけばよかったんですね。男の子の方が多いきょうだいに生まれましたから、ウルトラマンとか仮面ライダー、大好きだったんですよ。弟と一緒に、めっちゃ殴ってました。二階から落としたり。


 人形って、どうやって遊ぶんですかね? 向かいの姉妹のリカちゃん人形は、薄着通り越してパンツしかはいてなかったし(服なくしちゃったんですって)、裏に住んでる女の子の友達は、シルバニアファミリー持ってましたけれど、全裸の子供のウサギさんを貰ったりしました。何故かその全裸ウサギさんを、バットで打ってほしいって要求されて。その時私ちょうど野球してて、打順が近かったらバット持ってまして、リクエスト通りフルスイングしましたけれど。遠くでガツッと、地面に叩きつけられる全裸ウサギさんを見て、揃ってめっちゃ笑うっていう。子供って分かりませんね。何でも楽しい頃ですから。


 アブないレディ達の紹介コーナーみたいになってきましたので、やめます。

 ままごとするんでしたっけ? 人形って。


 いつか放火もしなければ、吐かない、発砲もしない、そんな正統派ヒロインを、書いてみたいものです。


 最後まで読んで頂き、ありがとうございました。



 では今回は、この辺で。



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