私と忌々しき毛玉。


 海に着いたら今度は白いのです。


 防波堤のすぐ向こうには、団地があるんですね。そこでおじいちゃんおばあちゃんに可愛がられてるんでしょう、やったら人慣れした奴で、ずいずい近づいて来るんです。私が今食ってる、それ寄越せって。ド厚かましい。


 あの辺はただでさえ性格の悪いハトがボス面してて、海岸沿いの広場に行くとすぐ飛んでくるんですよ。クルッポォとか、見た目可愛い感じの馬鹿面下げて飛んで来ますが、試しにパンくずでも投げれば、どいつが性悪かなんて一発で分かります。そのボスだけ体の色が黒っぽいから、もう覚えてるんですけどね。

 他の奴に食べ物取られまいと、他のハトをつついて追い出そうとするんですよ。かつ自分は常に、一番何か食べてる人間に近い位置を押さえて。嫌な奴やなお前って、もう少し手を伸ばせば簡単に届くそいつ無視して、いつも一番遠くに追いやられてる、一番体の色が薄い奴に、投げてやるんですけれど。


 今度捕まえてやりましょうか。あの性悪。頭握ったら目を潰しちゃいそうですから、首根っこ掴んで。ハトってそんな、危ないですかね? 一応子供の頃、チャリで野犬を追い払ったことあるんで、ハトぐらいいけるんじゃないかと思ってるんですが。

 とまあそんなちょっと見てて不愉快と言いますか、カチンと来る事があるんで、ハトが飛んでくるエリアには近づきたくないなと、浜で適当な流木に座ってブレイクファーストと洒落込んでいるとですよ、誰もいなかったのに横からニャーって。


 「……何やねん」。なんて言っても返事が来る訳がありませんが、まあ癖みたいなもんで、動物には結構話しかけちゃうんです。無意識に。亀とかヤギにも。

 当然返事なんて来ませんね。でもガンだけは飛ばして来ますね。片道最低でも五キロ、一時間ぐらい歩いてやっとありつけた朝食を、毛玉になんか渡したくありませんね。そもそも猫に人間の食べ物なんか与えて、いいのかなんて分かりませんし。まああげるんですけれど、少しだけ。惣菜パン食べてるなら、何も味ついてない所。良心がいたみますから。ちょっとだけって。もう声を大にして言いたいです。――こんッなド厚かましい生き物と私が同列な訳ねえだろうがァ!!


 似てるんだそうです。こんなのと。猫飼ってない人にも、猫飼ってる人にも言われます。殴られたいんでしょうか。私がいつこんな物乞い紛いなことをしましたかね! ってまあここじゃなくて、黙ってすぐふらふらする所とか、口数が少ないところとか、素っ気ない所がぽいそうで。そんな人間どこにでもいるでしょうに。あとは、かなりマイペースとか言われますか。まあこれは出会う人間に必ず言われますよ。私生活が全く見えないとか。なんで用も無いのにいてやらないとならんのですか。用があるなら来ますんでほっといて下さい。とまあキリがないのでやめますが、そこに出会う訳ですね、『猫系男子のススメ』。また猫かこの野郎と(八つ当たりじゃねーか)。いやでも、そんなに猫猫言われる私なら、読めるかもしれないと思ったんです。


 そもそもこのビーンズボッ――ビーズログ文庫って、どんな本出してるんだろうと、公式ページにジャンプしてみました。すぐに凄まじい乙女の輝きに、目をやられそうになります。成る程女の子向けかあと。恋愛ものですね。そりゃあ私だって女の子ですが、少女漫画とかそういうものには、見たことあるけど触ったことはない武将ですから、こういういかにも女の子なものに触れていると、なんか照れてしまってさけてたんですね。

 然し今は、小説を書いている身分です。上達には勉強。学びとはより広い視野を持ってこそ。経験とはどこで活かされるか分からない。それに、これに登場する猫系男子とやらの言動やキャラクターを見れば、私があの毛玉野郎共と本当に似てるのか分かるかもしれないまあある訳ねえけどなそんな事と、読んでみたんです。原作がカクヨムさん内にあって、それを改稿したものが出版されたそうで。めでたいっすね。何か受賞して、書籍化されたようです。


 まあ私には分からない世界だし、折れてしまうだろうなと思ってたんですが、読みきれたんですよこれが。決して好きではないジャンルなのに。すげえ!

 私が恋愛小説を読んでて、しかも読みきれてる! って、感動しました。だから今日、大阪強風なんですかね。洗濯物が、干せねえよ。

 猫の方はどうでしたって? ジャンルがジャンルなので、絶対に言いません。私マグロとか、止まると死んでしまう生き物とかの方が好きなんですけどね。何かかっこよくないですか。猫は勝手についてきたりくっついてくるので、好きじゃないです。ハイ。


 なーんか大分つまらん回になってしまいましたが、どうでしたかね、今回。大して面白い事も言ってませんが。『府道63』が予想以上に読まれており、嬉しくて顔を出してみました。これから昼寝します。


 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。



 では今回は、この辺で。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る