第107話バカだってやれるのだよ
さあて……ロイオみてぇにカッコ良く決めてやるぜ!
山田「いくぜ……テッテレー、『マネチャーナイフー』!」
ドラ〇もん風に武器を装備した俺に、ワイバーンテージャは白い眼をこっちに向けて咆哮を上げた。
バカでかい音で枯れ葉が舞う。ワイバーンは飛翔して、群れを呼んでまっすぐ耳を塞いでる俺の方に突進してきた。
リオ「ちょっ、まずいって! 三体も同時は!」
山田「
攻撃力が出た分身の数だけ分割になる代わりに複数回攻撃になる盗賊上級スキルを発動。今回は三人かオッケ。よし……ワイバーンをもう少し引き付けて…………ここだ。
山田「”スーパープロテインドリンク”!」
そう叫んだら、本体のナイフを装備してない手に赤い結晶が出現する。そいつを力強く握ると結晶が割れて、エナジードリンクみたいな瓶だけが残る。俺はこれを一気飲みして瓶を投げ捨てる。
山田「”一撃確殺”! クリティカルダガー‼」
装備した
リオ「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇ⁉」
リオのねぇちゃんが、むき出た色気のあるへそから声を上げて驚いた。
ま、無理もねぇっか! 今の俺、かっこよすぎるしな!
エリー「すごい……」
エリーちゃんまで俺に釘付けかぁ……むっちゃテンション上がるぜ。
ワイバーン「ぐぉぉ……」
山田「あれ、まだ生きてやがる……やっぱ分身だと確率下がんのか?」
システムの抜け目なんてごまんと見てきたし、別にいいけど。どうせ小突いただけで終わりそうだし。ここからは別に俺がやんなくてもいいだろうし。
山田「あ、そうだ。二人とも……後ろの方にめんどくせぇザコがいっけど放置でいいぜ。今ので腰抜かしたみてえだし。それよりワイバーンにトドメ刺しといて」
エリー「え、ええ……え? 後ろに……え?」
リオ「なんでそういう情報をさらっというのさ!」
だって、二人に言っちまったらぜってぇ警戒して俺の相手してくんねぇじゃん。脳みそ筋肉がいねぇから寂しいんだよ。
リオ「はぁ……エリー、魔法撃てる?」
エリー「ええ。魔力は全然余ってるわよ」
リオ「じゃあ、お願い」
エリー「仕方ないわね……さっき助けてくれたからこれでチャラね」
リオ「ええー」
エリー「ええーじゃないの」
なんか姉妹みてぇ。
なんだろう、やっぱ女の子の会話ってほのぼのしてるな。特にこっちの世界の女の子はみんな優しいからサイコーだぜ!
あっちの世界の女共はおっかねぇやつらばっかだしな。
山田「んじゃあ、俺は腰抜かした賊共をやっちまうか」
指をポキポキならそうとしたけど、ミシとださい音しか出なかった。
それを嘲笑う聞き慣れた声が俺の索敵スキル範囲内で安堵と共にやってくる。
ゼウス「その必要はない。もう済んだ」
山田「へっ……流石だなっておいぃぃ⁉ なんで上半身裸なんだよ‼」
岩陰から出てきたそいつは筋肉マッチョな体を自慢するかのように現れた。
その
リオ「ひゃぁぁぁー‼ ヤバいヤバいマジですっごい! いやマジですっごい‼」
語彙力どこいった?
まあ、男としても気持ち悪いくらいすげぇムキムキなボディーだけどね……。シックスパックどころか、エイトパックに割れた腹筋、盛り上がった胸と肩筋、太過ぎずバランスのとれた二の腕。
山田「うえぇ……男の身体を地の文で説明するとゲロりたくなる病が……」
ゼウス「貴様がそのネタを使うな。ウソ⚪プに失礼だ」
山田「うっす。で、なんだってそんな格好なんだよ? ヤニ吸ったら北斗にでも目覚めちまったのかよ」
ゼウス「……コイツらの別動隊の相手をしていた。それだけだ」
ゼウスさーんよー、嘘は良くねぇな。
お前が嘘つくときは眼を見てねぇときだ。
……ま、無事だったんならなんも言わねぇけどよ。
山田「ハハハッそうかよ。ま、無事で何よりだぜ。それより、サボった分残りのワイバーン倒せよ!」
エリーちゃんが、テージャに止めを刺し終える。
俺はテージャが消える前に、窃盗スキルを使ってアイテム確保。
ゼウスはゲットしたアイテムには目もくれず、槍を担いで飛んでるワイバーンに向かって投げた。
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