王献之1 過去の罪業   

蘭亭会らんていかい参加者 王献之おうけんし 全3編

 既出:羊祜1、孝武7、苻堅3

    謝安17、謝安19、謝安27

    謝安28、謝安33、謝安36

    謝安38、謝安39、謝安40

    謝安41、謝安46、謝安64

    郗超4、郗超6、郗超10

    郗超12、桓玄11、劉惔4

    王徽之1、王徽之2



道教では、いまわの際に

過去の罪業を「上章じょうしょう」、

道家の習わしに従った

拝礼の儀式に則って懺悔するのが

習わしになっている。


王献之の病が篤くなった。

道家の方士がやってきて、問う。


「過去について、何か

 打ちあけておかねばならぬことは

 ございますか?」


王献之は答える。


「これと言って。

 ただ、郗曇ちどん殿の娘御、

 郗道茂ちどうも殿との離婚には

 心残りがございます」




王子敬病篤,道家上章應首過,問子敬「由來有何異同得失?」子敬云:「不覺有餘事,惟憶與郗家離婚。」


王子敬が病の篤かりしに、道家は上章し應じに首過すべかば、子敬に問うらく「由來に何ぞの異同得失有りしや?」と。子敬は云えらく:「餘事を有したるは覺えず、惟だ郗家との離婚を憶ゆるのみ」と。


(德行39)




王献之

郗氏と離婚した後、勅命で簡文帝の娘を迎えることとなった。孝武帝が自分の娘を嫁に出したい、と言っていた気はするんだが、いま改めて該当の条

https://kakuyomu.jp/works/1177354054884883338/episodes/1177354054885731219

を眺めたら、「女婿」とは書いてあってもそれが「孝武帝の」娘とは書いてなかった。えっなに、そう言うトラップ?


なお王献之と改めて結婚することになった人は新安しんあん愍公主の司馬道福しばどうふく。彼女との間には王神愛おうしんあいと言う女児が産まれ、のちに安帝の皇后となっている。

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