王坦之2 文度ちゃんの矜持
だいぶ自負心の高い人であったようだ。
王坦之が若かった時、
人材を登用する役目を負っていた。
江虨、王坦之を尚書郎にしようと考える。
するとその人事案を、
王坦之に漏らす者がいた。
王坦之は言う。
「
二流の家門がつく役職だろう?
なぜ私がつかねばならんのだ」
そのコメントを聞いて、
江虨はこの人事を取りやめた。
また王坦之、
「私は
どうなのだろうな?」
劉奭は答えている。
「そなたの才能では王脩に及ぶまい。
だが、名声ならばそなたのほうが
集められるであろうよ」
それを聞き、王坦之は笑った。
「ばかな話だ!」
また王坦之、支遁との知遇を
得られなかった。
そのことを恨みに思ってか、
「僧は名士とは呼べない」
などと言う論をぶっている。
いわく、名士は心の赴くまま
振る舞うことを至上とする。
しかし僧侶たちは
俗世から解き放たれているとはいえ、
仏の教えに絡め取られている。
これでは思いのままに生きる、
と言うわけにはいくまい、
とのことである。
トンデモネー負け惜しみである。
王中郎年少時,江虨為僕射領選,欲擬之為尚書郎。有語王者。王曰:「自過江來,尚書郎正用第二人,何得擬我?」江聞而止。
王中郎の年少なる時、江虨は僕射と為りて領選せるに、之を擬し尚書郎に為さんと欲す。王に語る者有り。王は曰く:「江を過り來たりてより、尚書郎は正に第二なる人を用う。何ぞ我を擬したるを得んか?」と。江は聞きて止む。
(方正46)
王中郎嘗問劉長沙曰:「我何如苟子?」劉答曰:「卿才乃當不勝苟子,然會名處多。」王笑曰:「癡!」
王中郎は嘗て劉長沙に問うて曰く:「我は苟子とで何如?」と。劉は答えて曰く:「卿が才は乃ち苟子に勝らざるに當れど、然して名を會せる處は多し」と。王は笑いて曰く:「癡なり!」と。
(品藻53)
王北中郎不為林公所知,乃箸論沙門不得為高士論。大略云:「高士必在於縱心調暢,沙門雖云俗外,反更束於教,非情性自得之謂也。」
王北中郎は林公に知らる所と為らず、乃ち沙門の高士為る得ざるの論を箸す。大略に云えらく:「高士は必ず縱心調暢せるに在り、沙門は俗外なるを云うと雖も、反って更に教に束さる、情性自得の謂に非ざるなり」と。
(輕詆25)
劉奭
ここにしか出てこない人。漢の元帝と同姓同名だからってだけで出してねえかお前疑惑がヤバい。とりあえず
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